第二関門トンネル

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ここ最近話題になっているので地元民として少し意見を。

『安倍総理の地元と麻生副総理の地元をつなぐ道路』
という発言がやたらと報道されていますが、これは『そういう見方もある』という程度のことで、あまりこの表現ばかり取り上げてしまうと話のすり替えになります。

少なくとも下関の一市民の感覚としては、第二関門トンネルを作ることと安倍総理の地元であることはまるで関係がなく意識したこともありません(というか安倍さんの地元は長門市。選挙区というくくりでは下関市まで含まれますが)。

実際に将来その道路ができた時に利用する立場で言えば、
『本州と九州をつなぐ道路』
が正しい認識です。というか明らかにその方がスマートで普通の思考です。

忖度という分かりにくい言葉がひとり歩きしているせいで、その分かりにくい言葉を中心にいろんなことがこじつけられて、結果として本来の趣旨がブレている状況に思えます。

単純に、道路として必要かどうかが焦点のはずです。
無知な僕でも海底トンネルを通すことが安くないことは分かります。
となると費用対効果がどうなのかということになるのですが、これに関しては正直わかりません。

ただ僕は基本的には賛成の立場です。現在、本州と九州を行き来するには3つの道路があります(JRは除きます)。
まずは関門橋。これは高速道路になります。
そして関門トンネル。こちらは一般道路上の有料区間となります。
最後に人道トンネル。こちらは歩行者のみの道路です。

人道トンネルはひとまず置いておくとして
車両の陸路としては関門橋と関門トンネルの2つがあります。

2つあれば十分なんじゃないの?という意見もあります。
僕も普段からそんなに頻繁に九州に行くわけではないので、2つじゃ足りない!と思ったことはありません。
でもたぶんそんな個人の見解で考えてはいけないんだと思います。

くどいようですが、これは県境であり海を挟んで本州と九州を行き来する道路の話です。
下関という地域の特徴上、陸続きの県境が近くにないのですが通常は隣の県との往来の道路が2本なんて事は無いんじゃないでしょうか。

また物流という観点で2つは多いでしょうか?少ないでしょうか?
九州には福岡や熊本などの大きな都市があります。当然そこには人口も集中しています。ネット通販の加速で陸便が増加すれば道路は混みます。
さらに、何か大きな災害があって、本州側あるいは九州側に避難しなければならなくなったらその道路は多いに越したことはありません。ですが現状道路は2つです。

関門トンネルは時々点検工事で通行止めになります。その時は関門橋を使って行き来するので、工事期間中は本州⇔九州が道1本になります。トンネルも橋も、建造物である以上老朽化しますし、そのメンテナンスや安全確認は必ずやらなければいけません。

下関側は、関門橋と関門トンネルの乗り口が近いところにあります。簡単に言えば1本の道から関門橋方面と関門トンネル方面と本線に分かれます。という事は関門橋やトンネルが混むと本線にまでその影響が出ることになります。北九州側の門司もそれに近い状況です。

第二関門トンネルは、下関と北九州がこれまでとは違う地区でつながる構想になっています。互いの地区は地形的にも本州と九州が最短で結ばれる位置関係にあります。
トンネルの距離が短いことは非常に大事です。まず行き来の時間短縮、そして建設費用が抑えられるということ、工事やメンテナンスの際も期間を短くできるということです。そして現在の橋やトンネルから離れた別の道路になるので渋滞の緩和にもつながります。

第二関門トンネルを通すことのデメリットは、その工事にかかる数百億か数千億かわかりませんがお金です。作らなければそのお金は別の何かに使うことができます。ほかにも近隣住民の立ち退きが発生するかもしれませんし、海底を掘るわけですから自然環境への影響もゼロではないでしょう。作る意味がないとか絶対に作ってはいけない理由があれば作らない方がいいんでしょうが、先に書いたような道路事情が現実にあります。

結局何が言いたいのかというと、
副大臣が総理を忖度してトンネル事業をすすめたとか、
もちろん安部首相や麻生副総理の意向でどうだとか

そんな取って付けたような話で公共事業が進んでいくような国だったら
地方の行政なんてとっくに破綻してるでしょうが


第二関門トンネルの構想は、僕が小学生の頃から耳にしてきた話です。という事はその新しい道路の開通に向けて、数十年に渡って調査や提言をしてきた人たちがいるわけです。またそこに反対する人の意見も当然あって、これまでの双方の献身的な議論の内容こそが一番重要なはずです。
どちらの立場の人も未来の経済や生活を豊かにするために試行錯誤している。その人たちにとって総理の選挙区だの副大臣が忖度したなどどうでもいい事で、そんなものでこの事業がメディアに取り上げられるのは水を差される以外のなにものでもない話です。