歴史の中の消費者  | 右岸だより

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 歳を取り、ヒマになりなり、昔やりたかったことを手掛けようと思っていますが、思うようにできません。そんな中で出来ることを探したり、出来るように工夫したりしてもがいている毎日を綴ってみたいと思っています。

歴史の中の消費者 へネロビフランクス他 法政大学出版局

 消費に注目して日本人の生活史を見ている。しかも著者の過半は外国の研究者だ。取り上げられているのは、ミシン、電気窯、砂糖、漢方薬、ゴルフそして鉄道、郵便局等々実に多様だ。

 例えばミシンは洋装化、女性の社会進出、そして既製服と様々な世の中の動きに翻弄される。洋裁学校が流行り、洋装店が繫栄したのは消費者行動の結果だ。それが見事に説かれており、面白かった。

 和服の時代から家族の被服を整えるのは主婦の務めだった。戦後洋装化してもこれは変わらなかった。その結果洋裁学校ははやり、その卒業生によって洋装店が乱立した。そのため、日本では注文服と既製服の価格差が小さかった。ユニクロ時代まで注文服の時代が続いた。こんな考察を様々な商品でしている。