今週父の手術は予想の通り無事に終わり、これまで避けてきた事に向き合う必要が出来た。
私は夫の両親が大好きだ。
愛情を持って夫を育て、義妹を育て。
私のことも、義妹の夫のことも我が子のように扱ってくれる。
もう亡くなった母方の祖母も、「○ちゃんは私の孫だから」と言ってくれた。
そんな義父は2004年の夏胃癌に倒れた。
幸いなことに初期で、内視鏡手術で回復も早かった。
ただ、この頃は私は実家と没交渉ではなかったので、私の両親が見舞いに訪れていたことも有り伝えない訳にはいかない。
でないと夫の両親が恥をかいてしまう。
偶然双方の両親共に知る人もいるし、いつか噂で義父の耳に届くなら、私が伝えておく事が正しい事だからだ。
義母はきっと驚いて、話が成立し難いような気もする。夫もまず義父に話すようにと言う。
義父にいつものように会いに行き、父の癌と、実家との没交渉を伝えた。
そして、この告白の3日前に、母と決定的にぶつかっていた事も私の告白の力にはなった。
距離をおく事に決めた、その内容を全て義父に話す事は出来なかった。
出来る筈が無い。
そして、私はまだ両親を求めていて、愛している事を思い知ってしまった。
全てを伝える事は、両親の悪口を直接口に出して言ってしまう事だから。呪ってしまう事だから。
話の後、夫も合流し義父と3人で食事をした。
義母は遠来の妹である叔母を送りに空港へ行っていた。
御馳走になり、義父と別れてから義母に電話をした。
義母には「そんな悲しい事言わんとき」と電話口で私を叱った。
確かに私は人間として当たり前の事が出来ていないのだと思う。
自覚している。充分にわかっている。
でもこの思いは行き場が無く、私を縛り付ける。
それこそ息の出来ない程に。
今、とても苦しい。