■なぜ「老い過ぎ」バイデンで選挙に臨む? | タマちゃんの暇つぶし

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マネーボイス:なぜ「老い過ぎ」バイデンで選挙に臨む?7月21日の“擁立宣言”で米国はさらなる危機とパニックへ=高島康司氏2024年7月5日より転載します。
 
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米大統領選の討論会で、バイデンの能力が老いのため大幅に衰えていることが明らかになった。この討論会の後、民主党とホワイトハウスはパニックになり、バイデン降ろしの動きも強まっている。この状況を詳しく解説する。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)

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大混乱に突入する米大統領選

能力の大きな減退が証明されたバイデン大統領を巡る状況について解説したい。2020年をさらに上回る新たな混乱に突入する可能性が大きい。

日本時間の6月28日に開催された2024年大統領選の第1回討論会は、トランプとバイデンが相互を批判しあうほとんど見るべき内容のないものであった。しかし、この討論会ではバイデンのすさまじい能力の衰えが衆目にさらされる結果となった。

むかしバイデンは吃音に悩まされた経緯があり、老人になるにしたがって、これが出てきたようだ。バイデンの発言はアメリカ人にとってもなにが言いたいのか分からず、本当にひどいものであった。

しかし、討論会を見ていたものを驚かせたのは、思考が途切れ、自分が何を言っているのか分からなくなった場面だった。逆にトランプから、「彼は自分が何を言っているのか分かっていないだろう」と揶揄される始末だった。

これを見ていたものの多くが、唖然とした。これは明らかに認知機能の低下である。

衰えを隠してきたバイデン陣営

実は、バイデン大統領の認知機能が低下していることは、ここ数年、ホワイトハウスや民主党の密室で語られてきた。そして、事実は隠されてきた。今月初め、「ウォール・ストリート・ジャーナル」がバイデンの健康状態について懸念を示す記事を掲載した後、民主党の首脳部はこの記事を非難し、批判をそらすことに成功した。

民主党は、国民にできるだけ知られることなく総選挙に臨もうとしてきたのだ。バイデンがイスラエルのガザ戦争を支持したことを理由に1月に辞任した元民主党全国委員会代表のトーマス・ケネディは、「バイデンの衰えぶりすべての議員は知っていたし、選挙民も知っていたし、献金者も知っていた。 誰もが知っていた」と言っている。民主党の内部では、バイデンの健康状態について懸念を表明しようとする努力は、何年もの間、決定的に封じられてきた。

さらに、2024年に別の候補者が立候補すべきだと提案したある民主党の議員は、他の議員から攻撃され、所属していた下院の委員会からの解任決議に直面したという。反対意見だけでなく、民主党内では、この話題に言及することがタブーとなる状況がこのが2年間続いている。

バイデン降しの激しい声

しかし、6月28日の第1回大統領討論会でのバイデンのパフォーマンスを見て、ホワイトハウスと民主党の首脳部たちはもはや問題を隠すことができなくなった。バイデンのあまりの衰えた状況が、衆目の目に明らかとなったのだ。

それと同時に、バイデン降しの声も非常に激しくなった。「ニューヨークタイムス」を始め大手のメディアは一斉にバイデンはもはや無理なので、新しい候補者に代えるべきだとの声が上がった。大人気のテレビニュース番組、「モーニング・ジョー」や、事実上の民主党支持の複数の大手メディア、またイギリスの「エコノミスト」などは、公然と、そして執拗にバイデンの辞任を求めている。

また、世論調査でも、国民はもううんざりしていることが明らかになった。「CBSニュース」の世論調査によれば、登録有権者のうちバイデンが選挙にとどまるべきだと考えているのはわずか28%で、72%はバイデンが精神的に大統領にふさわしくないことしている。

また、民主党の下院議員からもバイデン降しの声が出てくるようになっている。民主党の重鎮の一人でもあるテキサス州選出のトゲット下院議員は、「私はバイデン氏が撤退という辛く困難な決断を下すことを願っている」と声明した。

Next: それでもバイデンで行く?政治的病理とこれから始まる大混乱

民主党はバイデンを正式な候補として宣言

しかしバイデン陣営は、2年間隠し続けてきたバイデンの衰えぶりが隠せなくなっても、引き下がるつもりはないことを明らかにした。選挙キャンペーン・スポークスマンのローレン・ヒットは、討論会のパフォーマンスについて質問され、バイデンは辞任するつもりはないと強調し、討論会後の1,400万ドルの資金調達額と、29日にノースカロライナ州ローリーで行われた選挙集会を指摘し、「彼はノースカロライナ州での集会で、熱狂的な観衆を前に非常に力強いスピーチをしたばかりです」と言った。

また、29日の午後、バイデン陣営のコミュニケーション・ディレクターであるマイケル・タイラーは、エアフォース・ワンの中で「ジョー・バイデンが候補者だ」と明確に述べた。

そして、「民主党全国委員会」は早ければ7月21日にもバイデンを正式に大統領候補として指名する可能性があるようだ。これで、党内からも上がっているバイデンの後任候補の可能性に終止符を打つことを狙っている。「民主党全国委員会」は7月16日から21日にかけて数回の委員会を開き、事実上の投票のためのルールと手順を最終決定する予定だ。「フォックス・ニュース」の取材に応じた民主党関係者2人も、7月21日が候補日であることを認めた。

2024年の大統領選挙の候補者は、8月19日から21日にシカゴで開催される「民主党全国大会」で指名される予定だ。すでに各州で予備選が行われ、バイデンが勝利しているので、「民主党全国大会」の各州の代議員は予備選の結果通りの投票をしなければならない。

しかし、「民主党全国大会」の前にバイデンが辞退した場合、立候補した複数の候補者から代議員が自由に選ぶ「オープンバレット」という投票になる。そうした状況になると誰が民主党の候補者になるのか、予想がつかない。

このような状況を回避し、民主党をバイデン支持で結束させるために、「民主党全国委員会」を開催し、民主党のバイデン支持を固める狙いだ。

トランプの勝利に対する民主党の恐怖は大きい。実質的にパニックになっている状況だ。民主党は左派と右派で大きく分裂している。そのため、いまから候補者を変更しようとしても、左派と右派で納得する候補者を擁立することは極めて困難である。このような状況なので、バイデン支持で民主党を固め、それで選挙を戦い切ることしか道がないというのが、民主党首脳部の認識なのだ。

民主党左派の重鎮で若者の圧倒的な支持があるバーニー・サンダース上院議員も次のように言い、バイデンの支持を呼びかけている。

「大統領選挙は、誰が最高のパーフォーマーなのかを決めるグラミー章ではないのだ。アメリカ国民の生活に大きく影響する人物を選ぶのだ。みんな少し大人になって、バイデンを支持してもらいたい」

政治的病理とこれから始まる大混乱

いまの状況はどう考えても普通ではない。大混乱した2020年の大統領選挙でも、認知症の疑いのある人物を大統領に押すような声はなかった。さまざまなスピーチを比較するとはっきり分かるが、2020年のバイデンは2024年のバイデンではない。2020年の時点では、バイデンははるかに覇気があり、思考と判断もいまに比べるとずっと早い。

次のビデオを見ると、その差は明確だ。英語のビデオだが、2020年のバイデンと2024年のバイデンの違いがよく分かる。

アメリカを代表する調査報道の記者、シーモア・ハーシュはバイデンの能力の衰えは、この半年間で加速したと語っている。ハーシュの取材では、半年前にバイデンから家族に電話があり、ホワイトハウスがコントロール不能になっていることを嘆いていたという。おそらく、すでにこのときには、バイデン政権の閣僚を取りまとめる能力がなかったのであろう。

普通のアメリカなら、バイデンはとっくに引退している。実際、彼が大統領になることはなかっただろう。バイデンのような人物が最高権力者の座につくことは、どうみてもアメリカの政治的、文化的な病理であるとしか言いようがない。

Next: 米国はどこへ向かう?重要なのは混乱が起こっているタイミング

このような見方は、すでにアメリカ国内で一般化している。ウクライナ戦争でロシアと厳しく敵対し、ガザ戦争のイスラエル擁護で内外で大変な批判を招き、中国とも対立を強めているいまの非常に厳しい国際情勢に、認知症の兆候がある老齢の大統領がまともに対処できるとは思われないと考えるアメリカ国民は非常に多い。ユーチューブの多くのチャンネルでは、バイデンに自ら降りることを懇願する動画が実に多い。

また、国外からも強い警戒が発せられている。ロシアのプーチン政権に一定の影響力があるとされるロシアの保守派の論客であるアレクサンドル・ドゥーギンは最近の記事で次のように書いている。

「バイデンにとって、そして最も重要なことだが、ニュー・バビロンの支配者を気取る人々にとって、すべてが危機にさらされている。そして、危機的状況においてさえ、彼らの行動は予測不可能である。一方、トランプは単なるプレーヤーだ。 非常にタフで大胆だが、合理性と具体的な利益の評価に彼の行動は制約されている。トランプはほとんど説得できないが、交渉することはできる。

バイデンとその親玉は正気ではない。トランプにとって、核による黙示録は何に対しても容認できない代償だ。

2024年11月に行われるアメリカの選挙は、人類にチャンスがあるのか、それとももうないのかという問いに答えることになるだろう。それ以上でもそれ以下でもない」

これは、ロシア保守派のドューギンだけの見方ではない。判断能力のない認知症の大統領が核ミサイルの発射ボタンのカギを握るのである。これは恐怖である。また、大統領が判断停止の状態に陥っているので、軍産複合体やネオコンなどバイデン政権の背後にいるさまざまな勢力が、実質的にホワイトハウスを乗っ取ってしまうことだろう。

さまざまな記事を読むと、多くのアメリカ人がこうした可能性に恐怖しているのが分かる。認知症のバイデンよりも、過激だが戦争は引き起こさないトランプの方がまだましだという声も、民主党支持者の有権者からも聞こえてくるようになっている。

そうした状況を見ると、7月21日の「民主党全国委員会」でバイデンの候補者擁立が宣言されたとしても、これで混乱が収まるとは到底考えられない。民主党のバイデン擁立が宣言された時点で、バイデン降しの圧力と勢いはさらに激しくなるはずだ。民主党が分裂するかもしれない。特に、民主党がバイデンの能力低下の事実を2年間も隠してきたので、その反発は大きいに違いない。

混乱が起こっているタイミング

そして重要なのは、いまの混乱が起こっているタイミングである。

いまロシアは、これまで経済中心の協力関係であったBRICS+やグローバル・サウスの関係を、一段階引き上げて、軍事的な協力関係を築こうとしている。これは、経済・政治・軍事の三方面を包含するアメリカの同盟国との関係のあり方に近づける狙いがあるように思われる。

プーチンは6月5日に開催された「サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム」で、グローバル・サウス諸国へのロシアの軍事装備と技術の提供について語った。そして、ロシアが先進的な軍事技術を共有し、これらの国々の防衛能力を強化するための訓練を提供する用意があると述べた。また、ロシアとそのパートナーの軍隊の作戦上の互換性と即応性を向上させることを目的に、合同軍事演習と訓練プログラムを実施するとも述べた。

ロシアと北朝鮮が締結した「包括的戦略パートナーシップ条約」は、まさにこの方針を実現したものである。ロシアは、北朝鮮のみならず、イラン、イエメン、シリア、西アフリカサヘル地域、キューバ、ベネズエラなどとも軍事的関係の強化も目指してるようだ。イスラエルと鋭く敵対しているイランとは、包括的な協力に関する新しい協定にごく近い将来署名する用意があるとしている。もちろんこれは、新たな軍事協力を含む協定である。

アメリカの混乱は、まさにこのようなタイミングで起こっている。ロシアが軍事的協力関係を拡大するには、絶好のタイミングとなろう。7月21日の「民主党全国委員会」でバイデンの擁立が改めて宣言されると、混乱はさらに拡大することは間違いない。

7月から8月にかけて、確実に危機は高まるはずだ。

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 」(2024年7月5日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
 
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