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進化し続ける医療。がん細胞だけを破壊し免疫細胞を活性化する画期的な治療法が実用化され、保険適用となっています。今回、メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』は、その「光免疫療法」を開発した小林久隆さんとその活動を支援する北尾吉孝さんのインタビューを掲載しています。
人類の未来を拓く「がん治療」への挑戦
がん細胞だけを破壊し、免疫細胞を活性化する──そんな夢のような画期的治療法が既に実用化されています。
「第五のがん治療」と呼ばれる「光免疫療法」です。世界に先駆けて日本で承認され、保険適用が始まりました。
4月1日発刊の最新号では、開発者である小林久隆さんとその活動を支援する北尾吉孝さんに、光免疫療法の現状と今後の可能性、開発に至るまでの道のり、成否を分けるものについて語り合っていただきました。
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<小林>
尊敬する北尾社長と対談の機会をいただけて光栄です。
<北尾>
こちらこそ。お忙しいところ、わざわざ関西からご足労いただきありがとうございます。
昨年12月には、弊社の会員制健康管理医療サービス「SBIメディック」の交流会で小林先生にご登壇いただき、皆さん喜んでくださってすごく反響がありました。
<小林>
ありがとうございます。そう言っていただけると、ホッとします(笑)。
<北尾>
確か小林先生に初めてお会いしたのは、私がナビゲーターを務めるBSフジの『この国の行く末2』という番組でゲストにお招きし、対談した時でしたね。
<小林>
あれは2018年ですからもう6年も経つんですね。
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<北尾>
私が最初に小林先生に注目したのは、2012年にオバマ米大統領(当時)が一般教書演説の中で「今日、連邦が資金提供した研究所や大学での発見が、健康な細胞には手をつけず、がん細胞だけを殺す新しい治療に結びつこうとしている」と、光免疫療法について取り上げられたことがきっかけでした。
名前こそ出なかったものの、世界で活躍し、偉大な研究成果を上げている日本人がいることを知り、そこから興味を持って徹底的に調べました。
光免疫療法の詳細については、後で小林先生からご説明いただきたいと思いますが、2018年に島津製作所の最新の原子間力顕微鏡を使って観察したところ、がん細胞と結合させたIR700という光感受性物質がついている抗体に近赤外線を当てると、一斉にがん細胞が壊れていくのを捉えた。
その話を聞いて「間違いなく画期的な療法だ」と確信し、番組出演のオファーをしました。
<小林>
一時間くらいの対談だったと記憶していますが、始まるや否や、ものすごく詳しいことに大変驚きまして、ここまで私の治療を下調べされて呼んでくださったのかと心を打たれました。
北尾社長と言えば、財界のトップでネット金融業界をリードされている方という印象で、医学に精通されているとは、その時は存じ上げなかったんです。
ところが、実際にはSBIファーマという医薬品や医療機器の会社も経営されていて、これはプロと話していると思わないとダメだなと。
<北尾>
SBIファーマの経営理念の中に「医は仁術なり」を掲げていますが、小林先生はまさにその言葉をまっしぐらに歩まれている方だと感じます。
人を思いやり、仁愛の徳を施すことが医の道であると。お話をしていても、非常に謙虚で、いつも柔和なお顔をされているんです。
大変な成果を収めつつある大先生ですから、普通は偉そうにしていてもおかしくはないのですが……(笑)。
実際そういう方は多いけれど、小林先生には偉ぶるところが全くない。
その一方で、科学者ですからきちんとエビデンスを持って論理的にお話しされる。そのことに感銘を受けました。
<小林>
私は目の前にある研究に打ち込んでいくと……
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