■ポリネシア人はヨーロッパ人が南極大陸を「発見」する1000年以上前に南極へ到達していた可能性 | タマちゃんの暇つぶし

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Gigazine:2021年06月17日 06時00分ポリネシア人はヨーロッパ人が南極大陸を「発見」する1000年以上前に南極へ到達していた可能性より転載します。
 
貼り付け開始、

https://gigazine.net/news/20210617-maori-first-discovered-antarctica/


一般的に南極大陸は1820年頃、ヨーロッパの探検家によって発見されたと言われています。ところが、ポリネシア人の一派をなすニュージーランドの先住民・マオリの伝承を調査した研究では、ヨーロッパ人より1000年以上も前にポリネシア人が南極を発見していた可能性があると指摘されています。

Full article: A short scan of Māori journeys to Antarctica
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/03036758.2021.1917633

New Research Shows Māori Traveled to Antarctica at Least 1,000 Years Before Europeans
https://www.sciencealert.com/who-were-the-first-people-to-visit-antarctica-researchers-map-maori-s-long-history-with-the-icy-continent

Antarctica was likely discovered 1,100 years before Westerners 'found' it | Live Science
https://www.livescience.com/indigenous-people-discovered-antarctica.html

人々は古くから南極大陸の存在を想像しており、古代ギリシャ人は2世紀頃から南半球に「未知の大陸」があると考えて、想像上の大陸を「Antarktikos」と名付けました。その後、ヨーロッパの探検家によって1820年頃に南極大陸の存在が確認されました。

しかし、環境や生物多様性について調査するニュージーランドの研究所「Manaaki Whenua Landcare Research」に所属するPriscilla Wehi氏の研究チームが発表した論文は、ヨーロッパ人の発見が人類史上初のものではなかった可能性を示しています。研究チームは査読付きの学術誌などに掲載されていない歴史的資料や、マオリの人々に継承されてきた伝承や工芸品について分析し、南極大陸に関連すると思われる伝承を調査したとのこと。


研究チームが論文の中で取り上げているのは、複数のマオリのグループが伝えている「Hui Te Rangiora(フイ・テ・ランギオラ)」という船長と船乗りたちによる航海の物語です。この物語は7世紀初頭のものと考えられており、フイ・テ・ランギオラたちはヨーロッパ人が南極大陸を発見する1000年以上も昔に、「Te Ivi o Atea(テ・イビ・オ・アテア)」という船に乗ってはるか南へ航海したと伝えられています。研究チームは「おそらく彼らは南極海と南極大陸に目を向けた最初の人間でした」と論文中で指摘しています。

民俗学者であるPercy Smith氏がマオリの伝承を記した1899年の報告では、南の海でフイ・テ・ランギオラたちは「クズウコン(削ると雪のように見える草)のように凍った海」「太陽が見えず、霧が立ちこめた暗い場所」「全く草木が生えていない天を突くようにそびえる岩」を見たと記されています。Smith氏はこれらの内容が南極海や氷山に言及したものであり、フイ・テ・ランギオラがたどり着いたのは南極大陸だったと推測したとのこと。

研究チームは、フイ・テ・ランギオラの航海はマオリにとっては歴史の一部であり、彫刻にも記録が残されていると述べています。なお、マオリがニュージーランドに入植したのは13~14世紀頃とみられているため、フイ・テ・ランギオラはマオリの人々がポリネシアに住んでいた時に航海したことになります。


今回の発見はマオリの人々にとっては目新しいものではないかもしれませんが、研究チームは「小数で過小評価されているグループと南極大陸との関わりは、研究文献で十分に文書化されておらず、認められていません」と述べています。

また、研究チームは1840年にTe Atuというマオリの男性がアメリカの遠征隊の一員として南極の海岸を見たほか、19世紀後半から20世紀初頭にかけてマオリの人々がヨーロッパの探検家を医学・建設・科学などの専門知識で支援してきたと指摘。記事作成時点でも多くのマオリの人々がニュージーランドの南極調査プロジェクトに参加しており、研究チームはさらにマオリの参加が進むことを望んでいるとのこと。

Wehi氏は、「南極への航海や遠征に対するマオリの参加は今日まで続いていますが、めったに強調されたり認められたりすることはありません」「マオリの南極科学者を増やし、マオリの視点を取り入れることで、ニュージーランドの研究プログラムに深みが増し、最終的には南極の保護と管理が進みます」と述べました。

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