これはモーさんから聞いた、

1970年代はじめの頃のできごと。


イマでは考えられない、

愛用ギター(マイギターとした方がしっくりする)を背負って、

あちこちをギター弾きして渡り生活をしていた男性がいた。

そして、

このギター弾きは、

ギターの腕は格別やったから、

あちこちで大歓迎された。


そんなギター弾きがとある田舎町に来た。

そこでギターを弾いていたら、

初老の男性が、

「ここは日が暮れると治安が悪いから私のところに泊まりなさい」と宿を提供した。

ギター弾きはこの初老の男性に甘えた。


翌日、

ギター弾きが出発しようとしたら、

初老の男性が、

「知り合いがあんたのギターを聴きたいと言うので、出る前にギターを弾きなさい」と言った。

ギター弾きは了承して、

たくさん演奏すると、

初老の男性の知り合いは喜んで、

何度もアンコールをお願いしてアルコールもお願いした。

知り合いが帰ったので、

ギター弾きも出て行こうとしたら、

初老の男性が、

「もう日が暮れる。きょうもここで泊まりなさい」と言うので、

ギター弾きはまたその言葉に甘えた。


翌日は朝から土砂降りで、

1日中降った。

初老の男性はギター弾きに、

「こんなに雨が降れば土砂崩れが起こる可能性がある。きょうもここに泊まりなさい」と言うので、

ギター弾きは泊まった。


翌日、

初老の男性はギター弾きに、

「親戚の中学生がギターを習いたいと言うので出る前に教えてあげなさい」と言った。

ギター弾きは了承して、

初老の男性の親戚の中学生にギターを教えた。

ところが、

この中学生は、

やたら質問が多く、

その解説と実演の為に、

また遅くなった。

すると初老の男性はギター弾きに、

「もう日が暮れる。きょうもここに泊まりなさい」と言った。

ギター弾きは怪訝そうな表情で了承した。


翌日は、

凄まじく霧の濃い日やった。

初老の男性がギター弾きに、

「この霧は晴れんやろう。きょうもここに泊まりなさい」と言った。

ところがギター弾きは、

「いいえ!きょうこそは出て行きます!」と強く言い張るので、

初老の男性は、

「けど、昨夜はぬえ(姿を見せない妖怪もどき)が鳴いていた。あんたによくないことがあっては大変や。ここは治安が良くない。きょうまでここに泊まりなさい」と言ったが、

ギター弾きは、

「きょう泊まれば明日も泊まることになります。だから無理にでも出て行きます」と言うと、

初老の男性は、

「わかった。別れにつづみを打つから待っていなさい」と言って、

家の奥に行き、

つづみを持ってきて打った。

打つのはエエけど、

いつまで経ってもつづみを打ち続けるので、

ギター弾きは無理矢理出て行った。

初老の男性は涙を流しながら😢つづみを打ち続けた。


ギター弾きはギターを背負いながら、

濃い霧の為に迷子になった。

初老の男性のところに戻ろうとしたが、

その道さえわからなくなり、

日が暮れた。

ギター弾きは、

初老の男性が言った「ここは治安が悪い」という言葉に怯えながら、

濃い霧の中で野宿した。


翌朝。


霧が晴れ渡り、

昨日とは打って変わった景色の良い場に、

ギター弾きは喜んだ。

そして立ちあがろうしたが、

やたら背負ってるはずのギターが重いので、

立ち上がれなかった。

それで、

背負ってたギターをおろして振り返り、

ガク(愕)😱が入ってしまった❗️

なぜなら、

ギターが以下のものになっていたからやった。




ギター弾きは驚き、

「昨夜の霧がギターに突然変異を起こさせて琴にしたんだ😨」と呟いた。(んな訳ねーだろ😛 by レフティ)


その後ギター弾きはこの琴を弾く練習をしまくり腕をあげ、

お琴教室の先生になり、

定住して、

たくさんの生徒に教え、

生涯、

お琴とともに生きた。