ヨウイチがリトルリーグに所属していた子供時代のこと。
ヨウイチ達のチームが、
コーチの生まれ故郷の民宿に合宿に来た。
そこは、
あちこちに藁葺き屋根の家が立ち並ぶド田舎やった。
そんなド田舎にも、
非公式の少年野球チームがあった。
チーム名は当初は「カントリーロード」やったが、
田舎色を断つために、
「耳をすませば」に変名した。
このチームのキャプテンはタフルという肌がやたらに黒いメタボ少年やったが、
チームメイトからは「ダブル」と呼ばれた。
その際タフルはキレて😠
「ダブルだと⁉️差別用語使いやがって❗️副島淳と言え❗️」と怒鳴り返した!
タフルの家には、
両親が出稼ぎ(まだそんな風習が------😳)でいない為に、
厳しいばあちゃんがいた。
ばあちゃんはタフルに、
「今から大根畑に行くからお前は家に吊るした干し玉ねぎを焼いとけ!」と言いつけて、
大根畑に出かけた。
同時に「耳をすませば」のチームメイトが来て、
大都会からリトルリーグのチームが来てると告げられた。
タフルはすぐにチームメイトに、
練習試合のお願いをしたためたものを果たし状と書かれた封筒に入れて、
ヨウイチ達に届けさせた。
ヨウイチ達は練習試合という名の果たし状に了承の意を伝えることにした。
ヨウイチ達が指定された藁葺き屋根のタフルの家の裏庭に来ると、
タフルは、
「お前らの代表を出せ。俺が3球投げてヒットを打てたらお前らの勝ち。打てなければお前らの負け。お前らが負けたら、山にある井戸に投げ込み山の神のいけにえにする!」と言い放った。
ヨウイチはバットを手にしてタフルをじっと見て、
「もう、お前は負けている」とぽつりと言った。
タフルは「やかましい❗️」と怒鳴り返した!
タフルが初球を投げた。
ヨウイチは打ったがファールやった。
タフルは2球目を投げた。
またしてもファールやった。
ファールといえどもさすがに2つも打たれているので、
タフルは、
「恐怖の魔球、怒りの火の玉ストレートを見せてやる!」と言って、
チームメイトがライターで火をつけたボールをヨウイチに投げた!
火はちょろちょろと燃えながら投げられたが、
ヨウイチはそれをフルスイングでホームランにした!
が、
火がついたボールはタフルの家の藁葺き屋根に着地したので、
タフルの家は火の手に包まれた。
タフルはあ然として、
「俺の家がメラメラと燃えている❗️」と叫んだ!
その後、
完全消失したタフルの家に、
警察に連れられたばあちゃんが、
背かごに大根背負って帰って来た。
タフルは焼けた玉ねぎを持って来て、
「ばあちゃん!玉ねぎ焼けたよ!」と元気に言ったが😃
ばあちゃんは、
「家を燃やして玉ねぎ焼く奴がいるか⁉️」と叫んで、
背かごの大根取り出して、
タフルを「バコ!バコ!」叩きまくった!!
この光景を見ていた「耳をすませば」のチームメイトは、
「あの都会の奴ら強いぜ!火の玉ストレートを打ったばかりじゃなくてダブルの家を焼いたんだから」と囁き合うと、
タフルの苦しそうな声が、
「ダブルじゃねえ!副島淳と言え!」と響き渡った。
