自分の欲を満たすだけの実験なら要らないとあいつは言った


そんな言葉をこの俺に言って来たのは奴が初めてだった。


少しの苛立ちと共に感じたのは――安堵感


部下として、いや、これから一生を共にするかも知れない助手として、後輩として

申し分のないほどの実力と、その性格。


まだ10にも満たないその年で、俺の元へと送られるほどの天才児。


最初はあいつも緊張で俺との会話が精一杯の用に見えたが

少し立てば気の合う話し相手となっていた。


20ほど年の違う相手と、俺はいやというほど研究の話をした。


他のことを話した記憶が少ないほどに。


あいつの名前、年齢、顔

好きなもの、嫌いなもの、癖


それでも全て知っているのは、何年もの間あいつと共に歩んだからだ。



いつからだろうか


あいつは俺と並ぶ、いや、俺より優れた研究員となっていた。

悔しくて、難くてたまらなくなった。


いつからだろうか


あいつの事を敵視して

最初に投げられたあの台詞など忘れていた


いつからだろうか


俺は自身の研究で

あいつのもっとも嫌う物を作っていた


いつからだろうか


助手であったあいつは、いつも傍にいたあいつは


――俺の傍から消えていた。


俺の全てを抜き去って

あいつは俺の傍を去った


少しの苛立ちと安堵


それより大きいこの感情はなんなのだろうか


怒りか、それとも寂しさか



この感情は拭えない

もう戻りはしない


俺は研究を続けた。


そして俺の元にあいつが再び現れたなら

俺はこの気持ちを


全てぶつけよう




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トリガーさん好きすぎて辛いんです(((


この2人の再開話が書きたくて描きたくて仕方がないから

本編頑張ろう…うん



ギギギアル♂寄/トリガー