★★★+
鑑賞No:02116
製作:2010年/日本/94分
監督:米林宏昌
声の出演:志田未来/神木隆之介/大竹しのぶ/竹下景子
東京郊外の古い家の床下には“借りぐらし”をしている身の丈10cmほどの一家3人が住んでいた。彼ら小人たちは、上の家の住人に気づかれることなく、少しずつ石鹸や食べ物、電気やガスなどを必要な分だけ借りて生活していた。そんなある日、その家に12歳の少年がやってくる。心臓の弱いその少年・翔は病気の療養のためにこの家にやってきたのだが、小人一家の娘・アリエッティは翔に見つかってしまう・・・。
ジブリ作品ということ以外は何の予備知識もなく観たが、簡潔でまさに直球のストーリーなので分かりやすく楽しめた(映画から発するメッセージもストレート)。ただ、逆に大きな展開や発展性がなかったのは少し物足りなさを感じる内容でもあった。小人視線で実物の人間を見るという設定ですぐ思いつくのは「トイ・ストーリー」だが、彼ら(小人または人形)と人間との共存の仕方がまったく違うということで似て非なる作品となっている。ドールハウスに住むという夢(?)はむしろ女性(女の子)しか分からないかもしれないが、人間の道具をうまく小人世界に取り込んでいるアイデアは面白かった。人間の存在によって多くの生命種が危機的存在の危険に追いやられているというラストメッセージにはやるせない気持ちにさせられて、アニメとしては重い内容でもある。