全然記事を書けてないですが、いつか書いてみたかったトピックスを書かせてください。
私が陸上スパイクを追い続けて35年くらい?となりますが、
その間、いろいろなコンセプトのスパイクが生まれ、消えていきました。
直近では厚底のトレンドがスプリントスパイクにも到来し、各メーカーともに
高反発・高クッション、そして軽量性を追求したスパイクをリリースしていますが、
2020年にはアシックスがピンレスシューズとして「メタスプリント」をリリースしたのが記憶に新しいです!
市場定着はしなかったのか、本型番は廃版となっておりますが、このチャレンジ精神が素晴らしいですね!
こんな感じの、スプリント愛好者のワクワクする気持ちを揺さぶった数足のシューズを紹介させてください!
1.エキップメント アクセレーター(アディダス 1988~)
1988年のソウル五輪の頃に発売されたアディダスの意欲作。
同社の技術を惜しげもなく投入したシューズで、かかと部分がないつま先立ちとなるのが特徴です。
1997年にミズノ(ランバード)が「クロノダッシュ」を投入してますが、
その10年近く前に支え台構造付きのスパイクが市場に出ておりました。
本作は1993年ころまで販売されたあと、なぜか1996年にアッパーがリニューアルされて価格も抑えられて復活。
本テクノロジーにアディダスは自信を持っていたんでしょうね。
(残念ながら履いたことが無いのですが、結構重くて、リニューアル前は高価だったのも
手が届きにくい印象を受ける要因となっておりました)
↓1996年復刻版
↓1996年以降リリースされたミズノの「スーパーアスリートクロノ100」(クロノダッシュの前身)
かかとがない構造に度肝を抜かれましたが、アクセレーターがその先駆者だったのかも??
2.スーパーアスリートBO-S(ミズノ1992年)
1991年の世界陸上東京大会にて、カール・ルイスが9"86の世界新を出しましたが、その時のスパイクの
市販・量産化モデルです。
その後、「スーパーアスリートWR」として1993年、1994年もリリースされてました。
硬化プラスチックによる超軽量ピンは耐久性に乏しく、1回走っただけでもピンが変形していました。
当時はチップタータンが多く、まだマシだったかもですが、今の堅い高速トラックだと
刃ならぬピンが立たないでしょうね。。まず再販できない一足だと思いますが、
ミズノさんが発売に至った心意気が素晴らしいですね。
華やかなデザインは当時のスパイクの中でもひと際目立っていました。
私も憧れていた部活生の一人です。
3.タイガーパウ オルビット(アシックス 2000~)
コーナーをよりスムーズに走れるように!というコンセプトでリリースされたスパイク。
左右でかかと部のソールの厚さが異なり、競輪のトラックのように、自然と体が内側に傾くような
設計となってます。
ただし、垂直方向の荷重にはソールも凹むため、直線では左右のずれがなく走れる
画期的な素材を使用していました。
(1994年に、ミズノも荷重のかかり方の違いで凹み方が異なる素材をシューズかかと部に配置した
「モンドスタッフ」と言うシューズがありました)
↓もうちょっと鮮明な画像はこちら
憧れていた方も多い、サイバーフィットのスパイクでロングスプリントにも対応したモデルでしたので
結構人気が高かったです。
当時としては珍しい、オールブラックなカラーも格好よかったですね。
そこそこ市場評価は良かったように思いますが、
その後2002年にカラーチェンジしてからはあまり見かけなくなりました。
この当時のサイバーフィットは、まさに「足に装着する」「素足」コンセプトで、足袋のようにシューズの厚みが
低いスパイクだったためか、コーナーの足運びに優れていました。
さらにバンクの効くソールにした本スパイクは、ソール・アッパーの相性がよく完成度が高かったと思います!
直線メインの人からは選択肢に乗らなかったですし、万人受けではなかったですが、歴史に残る名作だと思います。
4.クロノインクス SS(ミズノ 2005~)
スケルトンアッパーになった2000年中盤以降、短距離スパイクといえばインクス、と言わしめていた過渡期のモデルです。
肉球構造にした2代目プレートに本作の特徴である「エアロカバー」を装着。
何でも、シューレース等の凹凸に由来する空気抵抗を12%、軽減できるのだとか。
ですが、、ちょっと前の2000年には、ナイキが「ズームセラー」でシューレースカバーを出していたので
あまり目新しさがなかったように思います。
インクスの元の性能が良すぎたため、本作も一定の評価を得てましたが、
何しろ履くのに時間がかかる&エアロカバーが割と破けやすいのが残念でした。。
雨の日は絶望的になる一足でもありました。
ただし、肉球インクスの評判は非常によく、2008年のプレート変更にショックを受けた方も多かったようで
本モデルは名作として位置づけられている気がします。
5.モンスターフライ(ナイキ 2005~)
かかと部に2本のコラム(カラム?)があり、ばねの様なギミックを搭載しています。
2001年に「ショックス」というランニングシューズをリリ-スしてましたが、スプリントスパイクにも
本テクノロジーを応用したのでしょうね。
クッション性×反発性を狙ったのでしょう!
あまり履いている方を見かけませんでしたが、きっと履いたら面白い反発があったんだろうなあ。
6.サイバーオーラ(アシックス 2009~)
本稿最後の一足です。
アシックスの2009年~数年、フラッグシップを張っていた「サイバーオーラ」。
ソールが2層構造になっていて、2枚の間に空域があります(ミズノウェーブのような)。
走ると荷重で凹んで、弓の様にしなり、高次元の反発が得られる、という設計です。
トラックからダイレクトな反発から、1テンポ遅れてびよーん、と伸びるような反発が得られます。
とてもユニークで私は好きな一足でしたが、、
「反発が強すぎる」「制御が大変」など、市場の声は厳しいものもあったようです。
ピッチを細かく刻むスタイルの方にはよかったと思いますが、ロングストライドの方には
特に制御が難しかったように思います。
↓機能説明の個所をアップした画像です
同じコンセプトの「サイバーオーラ2」をその後リリースしたのち、廃版になりました。
これにより、アシックスで1997年から15年に渡った「サイバー」シリーズはフラッグシップの地位から退きました。
今後も気づくままに書きたいと思いますが、新しいテクノロジーを市場に投下するのは
メーカーとしてとても勇気がいることだと思います。
記載したような、ワクワク感を与えてくれたシューズメーカーに感謝しつつ、またアッと驚くような
あたらしいコンセプトをどんどん投下してくださることを切に願っております。
(本稿は今後修正も多いと思いますが、ご容赦ください)











