3rdソロライヴを成功させた由紀は、一茂との休み1日だけを過ごし、翌日からも多忙を極めていた。
由紀出演の『陰陽屋へようこそ』のドラマクランインに続き、AKB48グループのドラフト会議と立て続けに追われていた。
しかし、一茂は由紀のある異変に気付いていた。 
ソロライブを契機に、撮影の合間やドラフト会議中、ひるおびの打合せ中、由紀がぼーっとしている姿を頻繁に見るようになった。
一茂が、気付いて由紀に声を合間に声を掛けようとすると、何時もの由紀の表情に戻ったり繰り返し見られた。 
また、偶に帰宅の車の中で由紀が、
「かずさんと2人きりで、ゆっくり過ごしたいなぁ・・・ねぇ、どっか2人で遠いところ行こうよ・・」
一茂が、やんわりと
「そうだなぁ、いいなぁ・・・由紀がゆっくり出来る時に行こう。」
応えるのだった。
ある日、一茂と由紀が仕事を終え、自宅で就寝する時に、いつも由紀は、一茂の腕枕で直ぐ眠りにつくのだか、その日由紀は、一茂に抱きつき、
「かずさん・・・私・・・ソロライブ終わってから・・・目標、無くなっちゃった・・・このまま、かずさんとどっか2人で遠いところに行きたい。
駄目かな?」
一茂は、車の中で由紀が言っていた事は本気なんだと気付いた。
一茂は、
「由紀は、アイドルになるのが目標だったよね?
AKB48では、アイドルグループだけど、柏木由紀としては、まだまだトップアイドルになってないよ。
今、辞めたら由紀の夢は終わるよ。
それでも、辞める?」
と聞き返した。 
由紀は、一茂の胸の上で返答に躊躇していた。
一茂は、由紀に優しく
「由紀・・・まだ、迷ってるんじゃないか?
まだ、上を目指したいって・・思ってるんじゃ・・」
一茂は、問いかけたときの由紀が、何も言わず、自分にきゅっと、強くしがみつく仕草を見逃さなかった。
「由紀・・・横浜アリーナより大きなところでソロライブやりたくないか?
まだまだ、ファンの皆は由紀が更に大きなアイドルアーティストにって望んでるし、AKB48でセンターに立って欲しいと望んでるとファンレターや、握手会を見て思うんだ。
まだまだ、柏木由紀の未来をファンのみんなは、期待してるよ。」
諭された由紀は涙を流しながら、一茂にただしがみついていた。

由紀「かずさん・・・ごめんなさい・・・私・・・ソロライブ終わってから燃え尽きた気分になってた・・私・・・想い出したよ。
ファンのみんなが誇れるアイドルになりたい! そして、AKB48でセンターに立ちたい!
かずさん・・・ありがとう。大好き。」
一茂の頬に、由紀は口付けした。

一茂「由紀、今は由紀の夢だけを2人で一緒に頑張ろう。
俺は、由紀の夢が実現するまで何時までも待つよ。」

由紀は、一茂に抱きつき
「かずさん、ずっと一緒に居てね・・・約束だよ。」

一茂は、由紀の頭を優しく撫でながら・・
「約束するよ。」
と応えた。

そして、2人は、眠りに着いた。

・・・その由紀の異変に気付いたのは一茂だけではなかった。
秋元康も気付いており、この後の大組閣祭りに大きく、影響するのである。
その大組閣の前には、由紀にとって更に大きな衝撃と決意をする時を迎える。







いよいよ、決戦の日を迎えました。
今回が姫にとって最期の選抜総選挙と覚悟しております。
思えば、我が儘を言っても良い位置なのに・・・卑劣な運営の仕打ちにも何一つ文句も言わず、ファンの為に、此処に居るよって群を抜いたパフォーマンスを見せてくれる姫・・・
私は、明治10年に起こった西南戦争で露と消えた、鹿児島の西郷さんと重なってなりません・・・まぁ、体型は違いますが、西郷さんは、弟子を絶対裏切らなかった・・・馬鹿な弟子が『一緒に死んでくいやんせ!』と言ったら『おいの命、おはんらに預けた!』と言い弟子と運命を共にした・・・
姫も、今まで絶対に我々ファンを裏切った事がありませでした。
今、我々が起たなけば姫は、到底センターに立つことが出来ません!
皆さん、我々は横浜アリーナで、柏木由紀に付いていくと心に誓いました!
今が、我々ゆきりん推しが起つ時です!
何としても今回の選挙戦、絶対負ける事が出来ません!
どうか、どうか・・・柏木由紀を今回の戦いでセンターに我々ゆきりん推しの力で、立たせてあげようじゃありませんか!

明治10年の戦は負けましたが、平成の西南戦争は、必ず我々ゆきりん推しの力で勝ちましょう!
鹿児島から東京秋葉原の頂点へ姫と共に攻め上りましょう!
我々は、姫が、燃え尽きマイクを置く最期まで、お供するのです。
決戦の日にあたり、私の想いを書かせていただきました。
最期に第3回選抜総選挙で徳光さん御作の和歌を
『輝いた 柏の森の 由紀姫が』
皆さん!今回の選抜総選挙、絶対に勝ちましょう!
そして、姫の最高の笑顔を、まだ見たことの無い景色を、姫と共に!
チェストー!















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