こんにちは!歯科衛生士の槙埜です。

 今回は歯の本数と認知症についてについてお話したいと思います。

高齢化が著しく進展した日本では2015年の時点で認知症の患者が約440万人、

これに、「軽度認知障害(MCI)」と推測される約380万人を加えると、高齢者の4人に1人が

認知症あるいはその予備軍と言われています。

 

認知症が発症する原因については、脳梗塞などの脳血管障害が原因になるものと

脳細胞が死滅し脳がスカスカに縮んでしまうアルツハイマー型の大きく2つに分かれます。

 

認知症と歯の健康の関係については、これまでにもアルツハイマー型認知症の患者の脳から

歯周病菌が発見されるなど、何らかの関係があるとみなされていました。

なかでも衝撃的なのは、残っている歯の本数と認知症発症のリスクの関係で、残存歯が少ない人程

認知症になりやすい、言い換えれば自前の歯が残っている高齢者に認知症の患者が少ないことが

分かっています。歯の残存歯が20本以上ある人と、歯がなくて義歯(入れ歯、インプラント)もつけていない人

とでは、認知症になるリスクは1.9倍と大きな差異が見られたのです。

 

さらにMRIによる脳の画像検査でも、残存歯の少ない人程大脳の容積が小さくなり、特に記憶をつかさどる

「海馬(かいば)」や、考えたり思ったりの高度な知的活動にかかわる「前頭前野」などの大切な部位が著しく

萎縮していました。

 

 では、なぜ自前の歯が少ないと脳の容積が小さくなり、結果として認知症の発症のリスクが増えてしまうのでしょう?

それは、咀嚼(そしゃく)数すなわち噛む回数に関係があります。

しっかり噛むという動作は、顔や頭にかけて数多くはしる細かな筋肉(咀嚼筋)を動かし、血管や神経の働きを活発にします。

 

一方、神経は脳から「噛め」という指示をあごなどの筋肉へと伝え、逆にきちんと噛む動作が刺激を脳へと電気信号として伝達します。

脳の神経細胞が頻繁に刺激されるとど、脳全体が若々しく元気になります。

逆に、その刺激がなくなると、使われない脳神経はどんどん死滅していき、脳全体がスカスカに縮んでいくのです。

正しく嚙めることはそのまま大切な脳を守り、アルツハイマー型認知症を予防します。

認知症を予防し、発症しても進行を遅らせるためには「口の健康」は欠かせません。

噛むことによる脳の刺激や血流の増加は、認知症の進行を遅らせる効果も期待できます。

 

自分の歯を失わないようにケアし、歯周病をしっかり予防すること、認知症の予、そして認知症になっても健康を維持する

という意味でも定期的に検診、メンテナンスに来てくださいね。