Yahooオフィス版の記事より
【CoCo 壱番屋は日本最大のカレーチェーンだ。
1978年、名古屋市の郊外に第一号店をオープン、今では1207店を擁する巨大チェーンとなった。
年間の売上高は699億円(2009年5月)。
創業者で現特別顧問の宗次徳二は幼いときに施設へ預けられた。
彼は本当の親を知らないし、本当の名字も知らない。
そうしたハンディキャップをものともせず、高校を卒業後、懸命に働いた。
02年、53歳で引退するまで、年間5000時間以上も働いたこともあるという。
お盆も正月も休まずに、CoCo壱番屋を大きくしてきたのである。
そんな彼の基本姿勢は「ライバルを気にするな。自分の店を自分の目で店舗に赴きチェックし、お客さまを見ろ」ということだ。】
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■「1日1000通」すべての声に目を通す
――私は同業者の動向を気にしたことはありません。
ほかのカレーチェーンへ入ることもないし、今、話題の300円弁当を気にすることもありません。
他店のことを考えるよりも、自分たちの商売に徹するのがうちのやり方です。
大切なのはお客さまが何を欲しているのか。
私は常にそれだけを考えてきました。
自分たちの考えが正しいかどうかを教えてくれるのはお客さまだけだと思っています。
それに、うちはただの町の食堂ですから、難しいことを考える必要はないんです。
CoCo 壱番屋のカレーは個性があるわけじゃない。
値段も安くはありません。
ラッキョウだって、無料でなく、ひと皿で30円いただいています。
町の食堂として、普通の味であればいいんです。
ただし、創業の頃から、ほかのカレー屋さんとは違うことをやっています。
それは熱々のカレーを提供すること。
ほかはたいてい、大鍋でカレーを温めて、そのままライスの上にかけます。
しかし、うちでは27人前の大鍋で70度から80度に保温しておき、お客さまからオーダーが入ったら、一人前ずつ小鍋で再加熱し、温めます。
沸騰させてしまうと、カレーの香りが飛んでしまうので、直前で小鍋を火から下ろす。
加えて、皿もウオーマーで温めておきます。
私は喫茶店の店主から出発しました。
喫茶店でコーヒーを出すときは必ずカップを温めます。
それと同じ気持ちで、第一号店で、初めてカレーを出したときから、現在まで、皿を温めています。
ライバル店を観察するより、「自らが現場に赴き、自分の店を厳しくチェックする」が私の考え方です。
では、どこを見ればいいのか。
商品よりも接客をチェックします。
それは接客ができていない店はたいてい、売り上げが落ちるからです。
私が会長をやっていた時代、800店まで出店しました。
そのうち、閉めたのはわずか2店です。
どんな店でも、トップが現場に赴き、厳しい目でチェックすれば持ち直すと思います。
では、当時の私は、接客のどこを見ていたかですが、まずは働いているスタッフの数でした。
私は「ゆとりシフト」を組め、と指導していたのです。
お客さまが店に入ってきた、その瞬間に、いらっしゃいませと言えないような従業員の配置ではダメだからです。
値下げをしたり、こだわりの味を出すよりも、飲食店は基本的なサービスをきちんと守らなくてはならない。
次にチェックするのが提供時間です。
注文してから、カレーがお客さまに届くまでの時間を私はストップウオッチで計測します。
揚げものがつかないカレーの場合は再加熱の時間も含めて速やかに提供するようにしています。
そうした店のチェックのとき、店長がほかのお客さまよりも、私に先にカレーを持ってきたことがあります。
私は厳しく怒りました。
お客さまが第一。
私に気を使ったりするような、間違った判断は許しません。
また、うちでは、時間のかかるカツカレーを注文した方がいらいらしているようなそぶりをしたら、その方に代わって、従業員が厨房に、「カウンターの方のカツカレーはまだですか?」と聞くようにしています。
そうすれば、待っている方は、「ああ、自分のことを忘れていないんだな」と思える。
サービスとはお客さまの身になって、洞察力を働かすことです。
大声で「らっしゃい!」とか「ありがとございまーす」とか声を張り上げることじゃない。
うちは町の食堂ですから、会釈でいいし、あいさつに大声はいりません。
大声よりも、心をこめて、ありがとうと言うことです。
自店を見ていると、きりがない。
あるとき、静岡にあるチェーンをすべて見て、山梨へ行き、そこから八王子、そして、都内の24時間営業店全店をまわったことがある。
36時間、ぶっ通しでまわったこともあります。
お客さまの気持ち、感情がつかめれば、それに対応したサービスができます。
私の場合は毎日必ず、アンケート葉書をじっくりと読んでいました。
今では1カ月に6万から7万通のアンケート葉書が届きます。
私が会長だった7年半前は3万通でしたが、それにはすべて目を通していました。
内容は10対1くらいで、お褒めの言葉が多いのですが、店にとって価値があるのはお叱りの葉書です。
「従業員に無視された」
「注文を取りにくるのが遅かった」
「従業員が私語ばかりしていた」
「カレーの温度がぬるい」……。
私は苦情の葉書はコピーして、余白に「至急、善処して下さい」と書きこんでから、苦情のあった店にFAXしました。
クレームに対して素早く真心で対応すれば、大抵はお客さまは許してくださるでしょう。
しかし、放っておいたら、お客さまは二度と来ません。
そして、クレームというのは、実はその店に限ったことではなく、どこの店でも起こりうることなんです。
ですから、私は苦情の内容をまとめて、全店に配りました。
これは今も続けていることです。
■「趣味も友人も不要」で私が働き続けた理由
私は現役時代、趣味も持たず、友人もつくらなかった。
飲み屋へ行ったこともありません。
仕事の邪魔になることは何ひとつやらなかった。
年間5640時間、働くこともあった。
そうやって率先垂範しないと、部下は働いてくれないと思ったからです。
そんな私が若いビジネスマンの方たちにアドバイスできることが二つあります。
どちらも即効性はありませんよ。やり続けることが前提です。
早起きと掃除をすること。
朝早く起きて、自分の仕事場の周辺をなるべく広く掃除する。
仕事場のなかだけじゃダメです。
そうやって汗を流していると、他人から姿勢を評価され、信用につながる。
しかし、損得や打算を考えてはいけません。
雨の日も用事のある日も休まずに掃除する。
私は雨とか台風、それから体がだるい、熱っぽいという日こそ燃えました(笑)。
よーし、今日はいつもより長い時間、掃除をするぞ、と。
早起きと掃除が不況を乗り切る道です。
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今日も休日にひとりで出勤している私にとって、
たいへん参考になりました。
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