女性Voの圧倒的歌唱力を売りとしたR&B系ハードロック /ブラウンストーン | ハードロックは我が人生そのもの

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70年代のハードロックはバンドによる個性もあって、独特なサウンドを創り出しています。その中で特に印象に残ったバンド、あるいはこれだけは是非聴いて欲しいと思えたアルバムを、これから随時紹介していきたいと思います。

BROWNSTONEはアメリカで結成された女性Vo/バーバラ・ロペスを中心として、それにG、G兼Vo、Kb、Bs、Dsがバックを固めた六人編成のバンドで、アルバムは73年にリリースしたものを唯一としている。アメリカのバンドでしかも女性Voを擁するバンドといった事では、御多分に漏れずジャニスやマギー・ベルを擁したストーン・ザ・クロウズなどの、R&B・テイスト満載のハードロック・アルバムといった事は直ぐ予測出来ようが、正にその通りで、とにかくバーバラは圧倒的歌唱力と、ジャニス譲りとも言えるパワフルさを備えた類稀な女性Voの一人。ただマギーを始めとする多くの女性Voがソロ活動し始めたとたん、急に話題にされなくなるのは、相性の良いバンド・メンバー、あるいは優秀なコンポーザーに巡り合えなかった事が災いとなったものか、、、バーバラも同様このアルバムを最後にロック・シーンから何故か名前が消えてしまったが、シャウト良し、表現力良しといった処では、更なる活躍をして欲しかった処。ただ日本ではほぼ無名近いこのバンドのアルバムが、セールスに貢献したとはとても思えないので、結果的にはほぼ無名の女性Voとして終わったのかもしれないが、、、

プログレ要素が皆無に近いR&B系のハードロック・アルバムとしては、少し在り来たりとも映る楽曲構成や、平均的過ぎるアレンジが間違いなくB級を醸しているが、それが故に演奏力がA級であるにも拘らず、各奏者における自己主張は少なく、全てが可もなく不可もない優等生といった処。それなら一体何がこのバンドの魅力なの?といった事になれば、真っ先にバーバラのVoは挙げられるが、バンド・アンサンブル重視のサウンドの中にあって特に輝いて映る、ハードロック然としたリズムを刻む重量感に富んだリズム隊といった事になろうか。その中でもフリーの名曲をカバーした「ビィ・マイ・フレンド」は、バンドの安定した演奏力もさることながら、Voの魅力と的を得たブルージーなGソロが聴けるもので最大の聴きどころ。

 

         73年アルバム

 

個人的にはフリーの大好きな曲が、装い新たなカバー曲として聴けるだけで満足なのですが、逆にこの曲だけ突出しているといった事では、決して独自性を売りとしたB級バンドではないだけに、これに匹敵する曲作りは是非して欲しかった処です。もちろん他の曲が駄作という訳ではないのですが、、、

このアルバムは日本でリリースされなかっただけで、当時は世界相手にリリースされたと聞き及んでいます、当然自身は今に至るまで輸入アナログ盤の音源をCD化したものを愛聴盤として聴いているのですが、既にCDはリリースされているのかもしれません?もしそうであれば容易く入手出来ると思えるのですが、ここで初めてバンド名を耳にされた方は、是非一度YOUチューブを検索してサウンドを確認してみてください。先に触れたストーン・ザ・クロウズ辺りのR&B系ハードロックが好きと言った方々には、文句なくお薦め出来ると思えます。