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私は念願の家族を手に入れた。
家事と育児に追われ、毎日が飛ぶように過ぎていく。
なんの問題もないように見えた毎日だったが、
私の心の中は疲れ果ててボロボロだった。
子どもは本当にかわいい。
夫になんの問題があるわけでもない。
でも私は苦しくてたまらなかった。
とにかく生活の手本になるものを
何も持ち合わせていなかったのだ。
私の家族の印象は両親がそろって家にいると
険悪な雰囲気で
私はいつも神経をとがらせていた。
両親が言い合いを始めそうになったら
空気を変えるのは私。
誰に言われたわけでもないけど、
馬鹿なことを言っておどけて場を和ませて
何とか空気を変えようと頑張った。
本当に誰に頼まれたわけじゃないけど。
かっこ悪くても馬鹿にされてもよかった。
それで家の中が明るくなるのなら
両親の言い合いを見なくてもいいなら
暴力にさらされることを避けられるのなら。
摂食障害になってたくさん勉強して
人の心を作り出すものに育った環境が
大きく関係していると知った私は
自分の子どもには私と同じ思いはさせたくないと
強く思っていた。
でもどうしていいのかわからない。
何をどうしたら
私にできることはただひたすら愛情をかけること
自分のことは置いておいて家族のために動いた。
これじゃあダメなんだとわかるまでには
まだまだたくさんの失敗をしなくてはならないの
だけれど、
この時はただひたすら自分がしてもらえなかった
ことを家族にすることが私の精一杯だった。