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重度訪問介護の地域格差をなくす 平等なサービスを

在宅介護の要、重度訪問介護の地域格差がなぜ生じるのか、制度の欠陥を正し、平等なサービスがどこでも受けられるようにしなければなりません。この問題を多くの方に知ってもらいたいため、このブログを開設しました。

20年前の話である。

 

2000年から始まった介護保険制度であるが、近くの事業所で働いていた知人から、人手が足りないから手伝ってとSOSがきた。

 

高齢者の介護は全く頭になかったが、知人の話にうまく乗せられて手伝うことになった。

 

シベリア抑留から帰って来られた方や、認知症の方など、自分の親と同世代の方ばかりで、いきなりぶっつけ本番で臨んだ。

 

認知症の女性は一人暮らしで、援助内容は主に家事だった。

 

洗濯、掃除、買い物と一通りのことはこなせた。

 

なぜ男のヘルパーが来るのかと言われたりもしたが、すぐに慣れて頂き、一緒に買い物に同行出来るまでになった。

 

歩く時になぜか下を向いたままで、エレベーターのドアに頭をぶつけたり、信号を渡る時も信号を見ずに下を向いたまま渡ろうとした。

 

その時は分からなかったのだが、認知症になると目から入ってくる多くの情報を処理出来ないために下を向くという論文を読んで合点がいった。

 

その方は昼夜逆転現象がみられ、夜になると不安定になり、外に出て近所の家のドアを叩いて住民を起こすなどの迷惑行為が目立った。

 

活動中にも近所の人が来て、ヘルパーさん何とかならないかと相談されるのだった。

 

事務所にも持ち帰ってケアマネージャーにも相談した。

 

どういう経緯でそうなったのかは私には分からなかったのだが、急に精神科へ措置入院が決まりましたと連絡を受けて「はぁー」と思わず声が出たことを覚えている。

 

深夜帯に近所への迷惑行為を行っている苦情がいろんなところにいっていたようだ。

 

当時は始まったばかりの介護制度で、皆混乱しながら活動していた。

 

特別養護老人ホームに入れたら一番良かったのだろうが、緊急で間に合わず、とりあえず精神科に入院という措置になったのだと思う。

 

とても可哀そうだったが、近所に住んでいる方の苦情を聞いていると、玄関に出るまでドアを叩くので寝不足で体調不良を起こしているとまで言われる。

 

夜は睡眠導入剤を飲んでぐっすり眠ると簡単にはいかないのが、認知症の難しいところ。

 

あれから20年、介護保険制度は改悪を重ね、保険料だけ倍に、サービスは大きく後退している。