東京に居る頃は、時々梅干を漬けていた。

本物の梅干しは、スーパーではまず売られていない。

マクロビ専門の「オオサワジャパン」等、

限られた所でしか手に入れることができない。

勢い、自宅で作るようになった。

 

自宅とはいえ、マンションだったので、

梅干しづくりに適した環境ではない。

だから、毎年定期的に作っていた訳ではない。

気の向いた時だけ。

 

日本からマレーシアへ移転する際、

食べ残した梅干を、瓶ごと持って来ていたんだな。

塩の吹いた梅干しが、幾つかの瓶に入っている。

 

今回食べ終えた梅干しは、港区三田に住んでいた時のものだ。

手元にある戸籍付表で調べてみたら、

三田在住は2006年~2007年であった。

梅のなる月からして、2006年に漬けたものと判明。

他の瓶には、漬けた年が書いてあるのに、

この瓶には、年が書いておらず、

住んでいたマンション名が書いてあった。

 

そもそも「ゆかり」って、

食べ物の名前ではないんだな。

三島食品というメーカーから出ている、

赤紫蘇を使ったふりかけの「商品名」である。

だから、私が作ったものは「ゆかり」と同じものではない。

ただ、似ている。

 

塩を吹いた梅干しを食べ終わり、

瓶の底には、梅干を漬けた時に使用した赤紫蘇が丸まって残っている。

これを陽に当てて乾燥させ、

包丁で細かく切ったものが、私の言う「ゆかり」だ。

 

2000年頃は、マクロビオティックにどっぷりハマっていた頃なので、

使っていた赤紫蘇は、オーガニックのものに相違ない。

塩は、伊豆大島の「海の精」を使っていたはずだ。

何と贅沢な食材で作ったものか・・・

 

炊きあがった玄米にかけて食べると食が進む。

三島食品の「ゆかり」のような、

細かく乾燥した美しいふりかけとは程遠いが、

赤紫蘇の粒が大きい分、香りが口内に大きく広がる。

 

大した量ではないので、直ぐに終わってしまいそうだが、

こんな贅沢な食べ物(ふりかけ?)に向き合い、

幸福のひと時である。