非常にアイロニックな主題だと思いませんか。



自由は誰もが求めるものであるにも関わらず、誰もに幸せをもたらすものではないのです。



そしてそれは自由を手にした時にこそ、気付くのです。



それがまた新たな足枷となってゆく…



それを振りはらおうとしてもがく。



苦しむ。



奇妙ならせん構造です。



であるから、一般にそのような人には完全な自由というものはないということになります。



つまりは、足元はぬかるみ、手にはしがらみ、目前には濃い霧。



それを一生甘んじて受け入れ、共存しつつ、必要ならば戦う。



その過程で人は強くなってゆく。




この憂鬱な男には、このような生き方が肝要なのではないでしょうか。