肉体的な交わりを濃密に描き、「バラ色の人生」というタイトルを付しました。

現実を仮想と対峙させ、優位に立たせるための意図的な描写であり、バラ色宣言です。

仮想の世界にはない触覚と温度を誇示し、「このバラ色の人生を分けてあげたい」とおせっかいまで焼いています。


世の中は全て
ハイテクな世界
現実離れの虚像(ゆめ)

愛のカタチも ニオイも知らずに
画面の中の恋愛(ロマンス)にゃ 情熱(ハート)が燃えないな
みんなが集まる架空の広場("SNS")で
このバラ色の人生を 分けてあげたいな



桑田さんは「Computer Children」「01メッセンジャー」など早い頃から仮想現実を辛辣に批判してきました。

「バラ色の人生」では直接的な批判ではなく、現実は「バラ色」と解くことで、相対的に仮想を貶めたのです。



君の腕に抱かれ
息も出来ぬほどに
口づけなどを交わす
濡れているよ

気怠く目を閉じて
唇を尖らせて
僕の首に両腕(うで)を回した
君が愛しい

大人になっても
色恋が大好きで
欲望の趣くまま

愛の魔法で 君を酔わせて
裸のままの自分を 曝(さら)け出したいな
恋の波動で 胸を焦がして
完璧すぎる世間を 嗤ってやりたいな







ボブ・ディラン「ブランド・オン・ブロンド」や吉田拓郎を彷彿とさせる温かみのある音色です。

彼らにちなんでフォークロックと言ってしまってもいいかも知れません。


サビは桑田さんソロ曲「銀河の星屑」のイントロと同じメロディが使われています。

このメロディもディランの「ハリケーン」が下敷きになっています。


桑田さんが肩の力を抜いて作った曲という印象です。「夕陽に別れをつげて」「可愛いミーナ」「クリといつまでも」等、だからこそよかったりしますよね。