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2008年11月30日

結局数字から先に切り込めるのは地域の人だけ(経常収支比率の解説を少し補充しました)

テーマ:自治体の分析

自治体の数字の読み方を人前でお話したり、雑誌に記事を書くので、数字を見てくださいとか、いろいろな数字について適正値を知りたい、という話をいただきます。

実際に、経常収支比率なら90超えちゃまずいとか、実質公債費比率は15くらいに抑えたいとか、一般論はあるんですが、一般論というものほど使えないものはありません。

ある新聞の埼玉版ではご丁寧に経常収支比率が80以下が適正であり、和光市だけが県下では適正、という20年昔のような記事を書いていましたが、この成熟期の日本では20年前の基準など通用しないのではないか、そういつも疑問を感じつつ報道をするのがジャーナリストだと思うのですが…。

(この記者は県庁の市町村課のリリースを見て記事を書き、補足取材を県庁職員にのみ行ったのでしょうね。県庁職員はここまでしかいいません。おかげで、「相対的にはまし」であっても、「かなりのペースで悪化している」和光市の財政数値を市民が誤解する源泉になっています。「和光新聞」でも、そういう捉え方をしてしまった和光市民の声が掲載されています。)


さて、経常収支比率は経常的な支出を計上的な収入で割ったもので、家計に喩えればエンゲル係数と中学教科書には書いてあります。

家計だとエンゲル係数が低いということは家計に余裕があるのですが、自治体だと土建行政に注力しているときにもエンゲル係数(経常収支比率)が低くなります。たとえ、さほど余裕がなくても。

どういうことかというと、分子と分母の関係なので、「分子の計上的な支出以外の支出=ハコモノ、道路」が大きいと、経常収支比率は良く見えるのです。計上的な支出の率が上昇するのはハコモノができて、管理費がかかり始め、借金の返済(自治体では借金の返済が始まるのは建設後3~5年後です。これは据え置き期間という制度があるからです。和光市は不交付団体なので、据え置き期間が終わると経常収支比率はリニアに上がることになります)が始まってからなんですよ。

そして、当然ですが、経常収支比率は借金の残高には直接的には影響されません。

また、自治体自体が成熟している場合、新規の公共事業は少なくなり、経常収支比率は自然に上がります。

こんな時、数字を良いとか悪いとか指摘すると、地域の人たちは、うちは土建市政だから、などと素早く答えを出します。それは私にはできないことです。

数字の読み方は各地の人々が各自マスターし、自分で地域の数字を読むのが正解だと思います。一般論には期待しすぎないことかな、と思っています。

和光市のこと以外については、そういう意味で、一般論まではお付き合いしますね。

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2008年11月28日

<書評>高橋彦芳『田直し、道直しからの村づくり―実践的住民自治をめざす栄村の挑戦 』

テーマ:書評

本書は「田直し」「道直し」「下駄履きヘルパー」で有名な長野県栄村の元村長、高橋彦芳さんの自治論をまとめたもの。


本書では、栄村とはどういうところか、高橋さんはどのように育ったか、役場職員時代の仕事ぶり、村長になってからの行動などをさらっとまとめられている。
職員時代、戦後の農村で、公民館を使った結婚式を推進して喜ばれたとか、萱(かや)で菰(こも)を編んで売ることを農家に提案して、現金収入ができた農家から喜ばれたとか、雪害と戦うための制度を作った経緯とか、まあ、アイディアマンとして活躍してきた経歴が結構生き生きと描かれている。
さらに、村長になると補助を少しでも受けたら制約がかかる道路事業や農地の整理について、独自のアイディアで安く、必要なものを作る仕組みを次々と生み出していく。
そこにあるのは

「この土地に住み続けられるようにしたい」

「今ある地域の資源で何とかやりくりしたい」

「自立したい」

・・・そんな思い。そして、霞が関頼みではない、独自に考えて地域を守り、育てようという姿勢。

霞が関と地域の自治体、どっちが知識を持っているかというと霞が関だけど、知恵なら自治体が持っているはず。それを思い知らされる。

あとは、自立して考える習慣をつけるだけなのだ。

 

たとえば、田直し。

農林水産省のやり方だと設計から金がかかり、一定規模の農地にしか適用できないほ場の整備を現場で簡易的に目視設計し、ベテランのオペレーターが作業して完成させたものに事後的に設計図を作成する方法で国庫基準の三分の一のコストで済ませる。

棚田を機械が入る田んぼにする、最も合理的な方法に見える。

保水性の舗装の実験と称し、高速道路並みの費用をかけてしかも市役所前を整備するどこぞの市役所とは天と地(もちろんどこぞの市が地)である。

 

また、道直し。

7トンの除雪車が入る最低限の道路を地域の負担35パーセント、残りを役所、という負担割合でつくる。材料費と用地取得代は地域負担だから、「道路の用地で役所に吹っかけてやんべ」という輩は出てこない。重機は役所の職員が中心になって扱う。

 

そこには補助金はタダの金だからふんだくらねば損、というさもしいぶんどり意識は微塵もない。


この一冊で高橋氏の全てが分かるわけではないけれど、高橋氏の基本的な姿勢は十分学べる。
「道路特定財源クレクレ」と叫び、自らは思考しない凡百の首長と一線を画す彼の基本理念と行動原理、そして、アイディア精神を一人でも多くの政治家に読んでいただきたいもの。

特に道路特定財源に縛って欲しくて仕方がない、福岡県某町の町長にぜひ。

約100ページで1238円の元は絶対に取れる。


田直し、道直しからの村づくり―実践的住民自治をめざす栄村の挑戦

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2008年11月27日

>全国町村会開催される~町村会は、財政自主権は要らないそうです

テーマ:ニュース

「全国町村会・・・は・・・全国町村長大会を東京都渋谷区のNHKホールで開き、山本会長は「巨大な道州は自治体と住民の距離をますます離すことになる。道州制には断固反対する」とあいさつ・・・大会は最後に・・・三位一体改革で削減された地方交付税の復元・増額、道路特定財源を現行水準以上に町村に配分することなどを求める決議を採択・・・(産経)」

というニュース。


なぁんだ、話し合って決めるんじゃなくて最初から「仕込み」で全部決まっているんだ!!


ま、それはそれ。


>道路特定財源を現行水準以上に町村に配分することなどを求める決議

一般財源化して地方に配分とは言わないんですかね。こんな意見の集団じゃ財政自主権は必要ないですね。じゃあ、周辺の市と合併して自治も放棄したらどうですか?

三位一体改革のときはそういうことを言ってませんでしたっけ?


少し前にあったこの全国町村会会長の山本文男・添田町長の議長会のヒアリングでの珍妙な発言も書き記しておきますね。

(こういう人種を会長に選ぶ町村会の見識には疑問を感じます。プライベートなインタビューとかではなく、「町村会会長山本氏」へのヒアリングの答えですからねw)


「議会のあり方は全部現行のままでいい」

「仮に議長に議会招集権を付与すれば執行部との間に対立感情を生む、議会と信頼関係があるから専決処分も問題ない」


議会のあり方に正解はなく、常に改善して良い議会運営を目指すというのが私の意見ですし、これに合理的に反論するのは無理でしょう。

また、専決処分はやむを得ずにやるものであるというのはこれまた常識。

議長が議会を招集しても首長とは対立など生まれません。そして、対立してもそれはそれ。必要な審議をやればいいんですよ。専決処分なんて例外だし、やらないのが本筋です。


こんなこと言っていないで限界集落の問題とか、農地の荒廃の問題に取り組むべきじゃないですかね。

こういうことを言っている町村に都会のカネを回したらどうなるんだろう、と普通の人は不安に感じるはずですよ。

私はイヤですね。大切な都会の税金をこういう感覚の首長が管理する地域の道路にじゃぶじゃぶ使われるのは。

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2008年11月27日

日本税制改革協議会水曜会/千葉県内で勉強会

テーマ:活動日記

水曜会では自治体財政研究会の打ち合わせ等。

午後は雑誌のゲラのチェック。そして、関係者への確認作業。

夕方からは千葉県内のある勉強会で財政の話をしました。

人前で話すのはやはり、しんどいです。

ちょっと脱線して、世代間格差の話などもしたら、年配の議員から「次世代に迷惑はかけたくないですね」との言葉。ちょっと嬉しくなりました。

終わるといつも、役に立ったんだろうか、と不安になります。


財政の数字の見方をお話しすると、どうも数字だけが皆さんの頭の中を占拠するのですが、なぜその数字になっているのか、これを突き詰めて検証することが明日への薬になってくると思います。


また、国家財政の健全化まで質問があり、話すのを忘れていたことを記したいと思います。


それは正直、八方ふさがりの中で、何か出来るとしたら、それは景気の拡大期にならざるを得ないということです。

景気後退期に歳出の削減をすることは、現実的に政治家のマインドを考えると不可能に近いと思います。そして、それを補強する理屈は山のようにあります。

一方で、景気が良くなると政府・自治体の財布も緩むのですが、景気拡大期には世の中の人々もそこそこ潤うので、政府や自治体の財布を緩める必然性は実はさほどありません。

もちろん、土建業界はここぞとばかりに「我慢していた時期の工事をやれ」となりますが、そもそも土建業界は供給過剰なんです。

ということで、これからしばらく続く冬の時代、ここでは借金を増やさない努力をし、景気拡大期には財布のひもを緩めず借金を出来る範囲で減らす、ということを政治に関係する皆さんが心に刻むしかないのかな、と思っています。

質疑のお答えになっていますかね?


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2008年11月26日

全員協議会/議会改革の議会運営委員会

テーマ:市議会のリアルタイムな説明

全員協議会では実施計画の説明。

和光市では基本計画の実施計画と行政評価 、予算のリンクを重視していて、実施計画は実質的には予算査定の一段階目の役割を果たしています。パブリックコメント を踏まえての実施計画について、今日はその説明を受けました。

予算を昨年より小さな規模にしようという意識は伝わってくるのですが、今後の財政の厳しさを考えると、もっももっと厳しい査定が必要なのではないか、というのが感想。

ちなみに、今後の厳しい経済状況を考えると、指定管理等を含む民間委託先の経営状況の厳しいチェックが必要であるという趣旨の質疑をしました。

また、同じ会派の須貝議員は実施計画に入っている数字の適正性についてただしました。ただ、答弁はかみ合っていませんでした。

井上議員は会派内でも話題になっている「決算との関係をどう捉えているのか」という質疑。答弁は実質的に「やってません」というもの。これ、一番のネックなんですよね。

その他、結構平穏に終わりました。

その後、議会改革のための議会運営委員会。

今日は議会の議決権の拡大、議員倫理、議会基本条例の位置づけ、議会基本条例の見直しに関する規定等。栗山町 議会の条例を一応のたたき台にして検討しています。


議決権の拡大については、基本構想の下に位置する基本計画までは議決事項とすること、その他の重要な計画については議会の申し入れにより、行政側が説明するという仕組みに、という方向性が決まりました(市の計画の背骨である基本構想だけではなく、骨格にあたる基本計画まで行政と議会が責任を共有しよう、というのが趣旨だと個人的には思っています)。

議員倫理については倫理条例があるのでそちらで規定している旨を表示します。

議会基本条例の位置づけについては三重県議会の条文に近い形になりそうです。

見直し規定は必要に応じて見直すという内容に決定。

いろいろと定義や法的な位置づけで突っ込みも入るのですが、いちいちもっともで、こういう突っ込みこそが条例に的確さとコク、キレをもたらすものであると思います。そのたびに行きつ戻りつの進行で、スムーズとは言い難いのですが、意見をできるだけ出していただけるように、というのを優先しています。

いずれにしても、議運委員長の前は決算委員長しか経験のない私としては、ドキドキしながら進行をしているのですが、徐々に進んではいますよ。


ただ、今日、最後まで進めたかったという点では、やや心残りなのですが。


ちなみに、和光市議会は議会改革においてはフロントランナー、という伝統があります。この条例策定を踏み台に、その位置をキープし、高めて行き、先輩議員の努力に報いたいところです。

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