最近、Tカード(Tポイント)を扱うカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が、令状なしに捜査機関に情報を提供していたというニュースがありました。

http://news.livedoor.com/article/detail/15903182/

 

どんな情報が提供されていたかは不明ではあります。

 

 

ただ、Tカードを提示してポイントが付くお店は、コンビニも含めたくさんあります。

 

いつ、どこの店で買い物をしたか、把握されるだけでも、その人の行動パターンはある程度明らかになります。

このようにTカードは、個人の動向を把握することができることもあるのです。

 

捜査機関は、そこに目を付けて、CCCにTカードの情報を提供するよう要請していたのでしょう。

 

ここで、令状を得ないで捜査機関がTカードの情報を請求することは違法にならないのでしょうか。

 

まず、捜査機関の方は、あくまで「任意」にCCCに情報提供をするように請求しています。

この点は、違法とはならないでしょう。

 

ではCCC側の行動は違法にはならないのでしょうか。

 

個人情報保護法には以下のように記載されています。

第十六条 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。


3 前二項の規定は、次に掲げる場合については、適用しない。
四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

 

そして、個人情報保護委員会のガイドライン

https://www.ppc.go.jp/files/pdf/181225_guidelines01.pdf

によりますと、

 

事業者が警察の任意の求めに応じて個人情報を提出する場合

はこの4号に該当するとされています。

 

個人情報保護委員会のガイドラインにのっとる限り、CCCの行為が違法とされることはなさそうです。

 

ただ、ガイドラインは法令ではありません。

裁判所がガイドラインと違う法解釈を示すと、CCCの行為は違法となる可能性はあります。

(まあ裁判所がガイドラインと違う解釈を示す可能性は低いですが)。

 

CCC側は消費者への説明責任を考えたのでしょうか、個人情報保護方針を改定したようです。

https://www.ccc.co.jp/news/2018/20180121_005470.html

 

この方針を見ると、あくまで個人情報保護法の条文どおりのようにも思えますが、明示したことは一歩前進したと言えましょう。

 

中小企業においても、個人情報保護方針を制定することは多くなっております。

この機会に、捜査機関や国・公共団体に情報提供を要求されたとき、どうするか対処法を考えておくとよいと思います。

(たまにあります)

 

新橋虎ノ門法律事務所 共同代表弁護士 武山茂樹

 

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