こんなニュースがありました。

 

判決書未完で言い渡し 岐阜地裁の判事、懲戒へ

 

裁判官が、判決書(判決を書面にしたもの)を書かずに言い渡していたとして、懲戒処分がされる可能性があります。

 

判決書がないのに、どうやって判決を言い渡してたの?

 

と疑問に思う方も多いと思います。

 

まず、判決書がなくても裁判官は、判決を書く道筋のメモ等はあるので、それを見て判決を言い渡すことは、物理的には可能です。

 

次に、民事裁判の判決は、通常は聞きに行きません。判決書が送達されるのを待ちます。

ですので、(まずないことだとは思いますが)裁判官が若干言い渡しに手を抜いても気が付かないこともあります。

 

なぜ、民事裁判の判決を当事者が通常聞きに行かないかというと、当事者が欠席しても判決は言い渡せること、判決書を受け取ってしまうと、そこから控訴期間(上級の裁判所に不服申し立てできる期間)が始まってしまうからです。

 

ちなみに、裁判所に行って、判決を聞いて、判決書は郵送で送達されるのを待つ場合もあります。

その場合は、結果を早く聞けるが、控訴期間は送達を受けてからなので、若干有利になります。

 

もし本人訴訟をする場合には(訴訟はないほうがいいですが)知っておくといいかもしれません。

 

そして、本題ですが、民事裁判では、判決書を作成してから判決を言い渡すルールなので(判決書に基づいて判決をする)

この裁判官はルールに違反したことになります。

 

一方、刑事裁判では、宣告(言い渡したこと)が判決になるので、判決の際に判決書は不要です。

メモに基づいて言い渡しているのが通常でしょう。

これは、刑事裁判は身柄拘束があるので、できるだけ早く判決を言い渡すべきだという要請によります。

 

もちろん、後で判決書は作りますが、判決の際には不要ということです。

 

新橋虎ノ門法律事務所 共同代表弁護士 武山茂樹

 

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