厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を理解する/ビアレストラン-1
ビアレストランという業態は、各社ビール会社のアンテナショップ店の出店戦略やビールを主軸にしたレストランとの複合業態などこれまで数々のスタイルを生み出してきている。
ビアレストランの起源は、ビアホールという業態が変化してきたものであり、
1899年(明治32)8月4日、「恵比寿ビール BEER HALL」が現在の東京・銀座にオープンしたものが日本初のビアホールとされている。
日本麦酒(恵比寿ビール)の社長馬越恭平のアイデアで誕生したビアホールは、
あくまでもエビスビールを宣伝するための目的であり、工場直送の出来立て生ビールを味わってもらい、そのよさを知ってもらうためということがビール業態の起源と理解しておくことだろう。
爆発的に流行りとなった時代には、毎夜、行列を成すビアホール、ビアレストランなど時代の変化とともに地ビールレストランなど様々なビール業態が待ちのあちこちに点在していたものである。
いまではビール企業が仕掛けたアンテナ的ビアレストランは減少し、日常的且つ本当のビールファンが集うビアレストランやビールとの複合店のヒット店は健在している。
客層としては、男女問わず幅広い年齢層に支持される業態であろうし、利用方法もライフスタイルによって様々であることだ。むしろヤングアダルト世代はビールに限らず酒類を飲まない人が多いという統計が出ているなど基本的には、ビール志向者をターゲットの主軸におくことが大切であろう。
立地としては、かつてのビアホールのイメージや雰囲気を醸し出せる物件でターゲットとする層が多く回遊する街であれば、特別に立地が限定されるものではないことを理解しておく。
客単価としては、1500円、2000円、2800円でビールやつまみを楽しめることができることが幅広い客を集客しやすいだろうし、熱い夏にはビール1杯を飲むだけでも気軽に立ち寄れる環境つくりが大切であろう。
ビアレストランというこれまでの立派に店を構えるのではなく、立ち飲み席や一般的など生活者の利用動機に合わせて店を利用できることがビジネスとしては成立しやすいことを忘れてはならない。
メニユー構成としてもあくまでもビールに合う料理に企画すべきであり、種々な料理を多く持つことがよいことであるという認識は捨てるべきであろう。
勿論ビールに合う料メニユーであるいはいっても料理や素材へのこだわりを持たなければビジネスとして成立しにくい時代であることは理解しておくことである。