午後には


埼玉に戻る予定だったので


午前中少しだけ


ぶどう畑の剪定をしてこようと


こたつでやすんでいる父に


(ちょっとだけ畑行ってくるよ〜

古後、電車で帰るから

駅まで送って〜〜)と告げて


自転車で畑へ


剪定作業して暫くすると


運搬車の音が


父が


運搬車で来て


積んだままだった剪定した枝を燃やす、と


一緒に、運搬車から枝を降ろして


いつも燃やしている場所に


いつも通り、下に紙をその上に枝を


もう30年以上やっている作業だ


少し燃え始めたのを見届けて


私は、畑の逆側の隅で


また剪定を


50メートルぐらい離れて


一度、父の様子を見ると


焚き火の様子を見ながら


すぐ近くの木の剪定をしていた


また暫くして


一瞬、声が聞こえた様な気がして


父の方を見ると



ダッシュして駆け寄り


とにかく必死で


父の火をはらい


消しながら


(誰か〜!誰か助けて下さい〜!!)と


無我夢中で


なんとか全身の火を消して


声を聞きつけた


近くで作業していた


面識あるご夫妻が、駆けつけてくれた


(救急車呼んで下さい!)と


奥様に


奥様も大急ぎで、でもなかなかスマホが見つからない


父を、駆けつけてくれた先生に

(父の教師時代の同職者)お願いして


自転車までスマホをとりに行き


119に連絡


畑の場所が説明できない


畑のある場所は


どこからも車が入れない


先生に代わって頂き場所の説明を


父は


着ていた服も靴も


ほとんど燃えてしまった状態で


でも、意識はしっかりしていた


(ここを切ってくれ!)と


燃え残った剪定バサミのベルトを指して


切ってあげようと、ハサミを持ったが


私の両手にしていた作業用手袋も


すべて燃えて、手のひらも大火傷


痛くて力が入らない


先生が


直に救急車が来てくれるから


道の方へ出よう、歩けるけ?と


父を支えて下さり


片方の足には私の靴を履かせて


2人で支えて、なんとか川べりの道まで


向こうからタンカ運んで救急隊員の方々が


(そこで待ってて下さい〜)と


父は


救急隊員の方に名前を聞かれて


しっかり答え


タンカに乗る時も


しっかり受け答えし


運ばれて行った


救急隊員の方が


私の手を見て


あなたも病院に行った方がいいですよ


もう1台、救急車を呼びましたから!と


救急車が来る道路に行くまでに


手が痛すぎて川に手を突っ込み冷やし


救急車を待っている間は


道端に残っていた幸の上に手をのせて


心の中で


お父ちゃんも大丈夫!大丈夫!と。