午前4時ぐらいまで行われた参議院本会議の内容を大学の先輩の記者が逐一教えてくれる。参院で野党の2委員長が与党提出の解任決議により解任され、与党が新たに2委員長のポストをとったという。

法案の委員会審議の遅れを挽回するために委員長に本会議での中間報告を求め、そこで審議打ち切り動議を出して法案の採決をするというのは、乱暴だが先例録にもある方法で私も経験がある。

しかし、こうした手続きさえもとらずいきなり解任し、与党側が野党に比例按分された委員長ポストを奪取して法案を採決するというのは日本の憲政史上初という。特定秘密法案やその他の法案を何とか会期内に成立させたいのだろうが、国民の中でも慎重審議を求める声が多い。個人的には第三者機関が関与し、恣意的指定に対するチェックを働かせないと薬害エイズ問題のようになかったことになる可能性が否定できない。

しかし、その昔、与党がずっと衆参とも多数をとっていた時代でも、会期を少し延長するとか、一国会またぐとか、国民に義務を課したり、忌避感のある法案についてはもう少し慎重にしたもの。秘密保護法制の必要性は理解するものでも、こんな強引な国会運営ではその運用そのものが心配だ。特に参院自民党の今回の手段はやり過ぎ。執行部のやり過ぎに内部で異論が出ていないのだろうか。いずれにしろ、参議院が良識の府と言われた時代は終わった。



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