こんばんは。






まるで三日月のように、欠片だけ見せるその顔に引き込まれる。






こちらは前回の記事。感想①です。






本編映像解禁。緊急事態宣言が明け、あちこち人の流れが増えてる印象。怖さと、でも映画ヒットしてくれよという思いと。同時進行な心持ち。







映画はやはり映画館で、という対談。配信でも観られる時代、だけどやはり映画館での鑑賞という没入体験は得難いものなのです。







以下、感想の続きです。ネタバレバンバンです。










出てる役者さん、皆さんすごい演技で。蓮見に三雲の人となりを聞かれる、生活保護を受給できなかったおじいさんとか。佇まいや台詞の紡ぎ方が一切無理なくその人で。福祉保険事務所の面々など、少ない出番でも「その人」であること。ストレス無く作品に没頭できるのがありがたい。






そう言えば、仕事帰りの幹子に会いにきた黒ずくめの利根、あれはいかん。あのなりは怖い。ストーカーか思うわ。あんな黒パーカーの怪しいのが待ち伏せてたのに「じゃ、ぼくお先に」じゃねぇわ井之脇くんよ、びっくりしたわ。お願い、あんなヤバそうな人と幹子を二人にしないで←



からの、幹子と利根の二人のシーン。あの…あのコンテンポラリーはどう理解したら…?




二人の心象風景の何かしらを象徴してるとかなら分からないでもないんですが(だとしてもいきなりファンタジーな演出)、現実の二人がダンスを見つめるんですよね、あれ。ということはあれはガチに二人の目の前で、夜にいきなり無観客の何かが行われているのか。てわけではないだろうけれど。




すごく重要なシーンでわざわざ差し挟まれるわけですから何かしら意味があるのだろうけれど、とりあえずよく分からなかった(すみません)ので、雰囲気だけそっと受け取り、あまり深くは考えずにやり過ごしました。現実と非現実が交じり合う感じは嫌いではありませんが。何度か観たら何となく呑み込めるだろうか。







そして、この「死んでいい人なんて、いないんだ」の台詞。ここでは消されていて。全ての真相が明らかになった後に流されるの、効いてきますよねボディブローのように。







作中のこの時の、二人の空気がたまらない。屈託ない笑顔が哀しくもあたたかく、儚くも強く心を打つ。







で、さすがの実力派役者の皆さんたち。一分の隙もなくその役である。しかしそもそも生活保護の申請に来る時点で本人は疲弊してるし自分でもいたたまれない思いでいるんだし、なのに窓口でこんなのらりくらりな対応されたら心折れるだろうな私なら…。




生活保護は「相談に来ました」ではなく「申請しに来ました」と言わねば通るものも通らないと言いますよね。カンちゃんがハッキリと「申請書ください」と言ったのは実に素晴らしい。






そう言えば金物屋でロープやカッターを買ってたのは、被害者の経歴から警察がいずれ自分に目を付けることを分かっていて、カンちゃんの罪を全部被るつもりだったわけですよね。



実際は犯行に及んではいないわけだから自供しかできないわけで。犯人であるとの説得力を持たせるためにわざわざ犯行に使われそうなブツを購入。利根…。






そして利根VS三雲。



ポスタービジュアルにもなったこの時の利根の表情はたまらなかった。大きく見開いた目を薄く覆う涙の膜。ご本人も仰るように、普段の中の人がそもそも省エネな方なので、感情を爆発させる演技の時のギャップがとてつもないんですよ。




あといつも思うけど叫び声。激昂し叫ぶ声が上手すぎる。例えば『天皇の料理番』の最終回、「いざとなったらGHQの前で腹かっさばいて詫びてやらあ!」の台詞とか(個人の好みです)。これ以上なく昂った感情を迸らせるその瞬間でさえ、役の感情と声の説得力が何らブレることなく凄まじく安定して両立できている。




喉元に掴みかかる利根。そんな彼に滔々と生活保護を語る城之内。「死ぬ時は一人だから」と言い放つ三雲。そこからの斜め後ろからの利根の、睨み上げる強烈なショット。うごめく各々の業と嘆きとやるせなさが三つ巴になる中、一人離れたところでそれを凝視するカンちゃんが、壮絶だった。







展開は衝撃の事実へとひた走る。今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。





ではまた。お疲れ様です。