辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』
中学生の2人が作る殺人計画!学生時代ならではの生きづらさ
辻村深月さんに共通するのは、「飾らない素の気持ち・本音」が書かれているところ。
それが正義であれ、悪であれ。
人に褒められることも、後ろ指さされそうなことも、隠さず書かれる。
いきなり形勢逆転する女子のヒエラルキー、逆に決して崩すことのできない「リア充」と「非リア」の格差、味方の裏切りなどなど…
学生時代に一度は誰もが経験しただろう。
めっちゃわかる…!と、共感できる部分がありすぎた。
そして、若さゆえに自分や周りを無駄に傷つけてしまうこともすごくわかる。
学校が世界のすべてだった学生時代は、何かうまくいかなくなると、ほんと人生の終わりって思うんだよね。
死にたくなることも正直あると思う。
この二人ヤバい、イタイ、キモイと思えるのは、そこを乗り越えて大人になれたからなんだろうと思った。
最後、畳みかけるような展開からぶわっと開放感が生まれる瞬間はスゴイ。
水面から顔を出せてやっと息が出来た感覚。
そして、少しの希望と幸せを感じた。
人を救う作品を書くひとだなと再認識した。