アメリカ視察報告

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 8月下旬、米国の視察に参りました。米国には毎年5月に日米国会議員会議出席のためにワシントンを訪問しておりますが、今回は日米経済協力の主要分野の1つである高速鉄道計画について、自民党超電導リニア鉄道に関する特別委員長として現地視察及び関係者からのヒアリングを行う目的でまいりました。

 

 ワシントンDCに到着後、まずはじめにアーミテージ元国務副長官と面会し、米国経済と日米経済関係全般にわたって意見交換を行いました。日米経済の現況については両国とも良い状態ではありますが、トランプ大統領による今後の関税引き上げなどの政策動向によっては、自動車産業をはじめとした各方面への影響が懸念されるところです。先日には茂木敏充TPP担当大臣が訪米し、ライトハイザー通商代表との間でFFR(Free and Fair and Reciprocal Trade)という新通商対話を開始しました。私自身は、米国産業も日本の高い技術力を必要としている観点から比較的楽観視をしておりますが、日米2国間にとどまらない、中国や韓国、カナダやメキシコ、EUなどといった諸外国に対する米国の方針による影響が気になります。あまり大事に至らない結果を望んでいる次第です。

 中間選挙を控えたトランプ大統領は様々な政策を展開し、それに対しては賛否両論ありますが、トランプ大統領も4割近い支持率を保っているので、中間選挙にはそれなりの自信があろうかと思います。その中で日米FTAを目指した2国間貿易交渉を着地点としてくる可能性も考えられますが、わが国としては様々な分野について深い議論を展開し、可能な限り米国のTPP復帰を目指した多国間交渉に持ち込むことが大切ではないかと考えます。貿易関係についてはこのような状況ですが、今回のアーミテージ氏との面会を通じて、日米の信頼関係は全く緩んでいないという印象を受けました。

 

 その後、テキサス高速鉄道開業に向けた技術支援の状況把握のため、東海旅客鉄道株式会社やHTeC(JR東海の子会社・技術コンサルタント)などからヒアリングを行い、ダラスのターミナル駅候補地を視察しました。テキサス高速鉄道計画は、ダラス―ヒューストン間の約380㎞を90分以内で結ぶ日本の技術支援によるプロジェクトであり、東海道新幹線のN700系ベースの車両を導入予定です。推進主体は米国のTCP(テキサス・セントラル・パートナーズ)という地元企業の出資で設立した企業であり、高速鉄道では珍しく公的資金を入れず、民間資本で担っています。ワシントン―ニューヨーク間での超電導リニア(マグレブ)導入構想と共に、わが国の高い技術水準で支援を行うビッグプロジェクトです。

 わが国の高速鉄道システムの海外展開は、高速鉄道市場を世界的に拡大させ、質の高いインフラ投資を実現するための大変有意義な取り組みとなります。国内の高速鉄道網の整備やリニア新幹線の東阪早期開業と共に、今後もこのような高度な技術を各国に提供してまいりたいと感じた次第です。

 

アーミテージ元国務副長官

 

ダラス駅建設候補地にて、TCP社ティム・キース最高経営責任者ほか関係者と共に