元某組織の親分の日本国に対しての意見 | 徹王のブログ

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後藤忠政(得度名・忠叡)元後藤組組長 独占インタビュー第2弾!
「日本はとことん息苦しい国になったな」
伝説の組長が語るカンボジア政府との親密な関係&日本の暴排ブーム

 先月号で紹介した元山口組後藤組組長・後藤忠政(得度名・忠叡)氏の本誌独占インタビューは大きな反響を呼んだ。

 武闘派の大物組長としてならした後藤氏が山口組を引退したのは2008年。5年とたたない間に、カンボジアという異郷の地で市民権を獲得、そればかりかフン・セン首相の与党・カンボジア人民党党員としても活動し現地での”貢献”(赤十字や孤児院、病院などに合計1億円の物品寄付)がみとめられてシハモニ現国王から爵位(オギャ=oknha)を授かっていた。ヤクザの世界を経て、第二の人生をこれほどドラマチックに歩む人物はいない。

 今号ではカンボジア定住を始めて2年半がたった後藤氏に、同国政府との関係や日本への思いを聞いた。

カンボジアでなぜ支援活動を?
ー今はどんな生活を?
後藤 日本にいる時とそれほど変化はない。ゴルフに行くこともあれば、お姉ちゃんと飯を食いにいくことだってあるよ(笑)。
 ヤクザを引退してから、「俺は何者だったんだ?」と考えてきた。それを確かめるため、カンボジアに住んでるようなもんだ。10カ国あるASEAN諸国のなかでも、カンボジアは最貧国とされている。けど、この国の国民は貧しくても希望を持ってるんだ。
 戦後の日本人は焼け野原に建てたバラック小屋から立ち上がった。その頃の日本人に似た目の輝きが彼らにはある。それが好きだし、彼らと接していると自分の原点に立ち返ったような気分にもなるんだよ。
 俺がこの国で、学生を相手にした日本語学校を支援しているのも、彼らの将来が少し楽しみだからだ。

ー支援のための資金は?
後藤 すべて俺個人で賄っている。なにも偉そうなことを言ってるんじゃない。大規模な養鶏場やトウモロコシ農園を始めたのも、事業として成功させて、そういった活動のための資金を現地の経済の中で作れなきゃ、真の意味での支援にはならないからだ。そうしなけりゃ長続きしないだろ?

伝説の大物組長がなぜ独裁政権与党に?
ー28年間独裁が続くフン・セン首相の人民党党員でもありますが、党員としてどんな活動を?
後藤 俺が市民権を取ったのは去年の5月だが、その翌月、統一地方選挙があった。人民党の幹部は担当地域を持たされる。俺の友達で人民党員でもある軍の陸軍大将がタイの国境に接する州の担当だったから、その選挙を手伝ったんだ。
 現役の頃は頼まれてよく票集めをやったもんだが、カンボジアの選挙運動のスタイルは日本とは違う。党員や後継者が500人くらい集まって乗用車、トラック、バイク、トラクターに分乗し、党の旗を掲げながら州内を行進するんだ。

ー今年7月には国政選挙(第5回国民議会総選挙)がありました。独裁が批判されたようですが。
後藤 野党の昔の党首(最大野党である救国党のサム・リャンシー党首)が、フン・センと反目になって海外に亡命していた。なにかの嫌疑をかけられてな。それが国王から恩赦を受けて帰国したもんだから、民主化運動が始まった。若い連中や低賃金の労働者たちが「チェンジ・フン・セン!」と叫んで大規模なデモを始めたんだ。プノンペンじゃあ、一時は10万人ともいわれる人間が集まったもんだから「中東の春」のようなことになるんじゃないかと、日本のマスコミも熱心に取材していたな。内戦時代を知っている世代の大半が、また大変なことになると思って、プノンペンから田舎に逃げ出す有様だった。
 ただ、俺は大事には至らないと思ってたよ。カンボジアはクメール人という民族の国で、宗教もほぼ仏教ひとつだ。中東のように多民族、複数の宗教が入り組んでない。人民党が力を持ち続けているといっても、王政は続いていて国民も国王を慕っている。
 選挙後「投票で大規模な不正があった」と野党が追及し始めたが、最後は国王が人民党と野党に話し合いを呼びかけて収まったな。

ー一方では28年も続く一党独裁が貧富の差を生み、国民の不満も強いのでは?
後藤 ちょっと経済が成長すると、格差が目立ってそういう不満が出てくる。ただ、独裁が必ずしも悪いものだとは、俺には思えないんだ。リビアを見るといい。カダフィの独裁が終わったのはいいが、ドンパチがいまだに収まらない。ああなると一番惨めなのは国民だ。そのことを、俺はこの国の軍人とよく話し、彼らもわかっているはずだ。
 カンボジアってのは8世紀ほど前までこのあたりの中心で、巨大な文明を築いていたわけだ。世界最大の宗教施設といわれるアンコールワットまで作ってな。その王朝がぐずぐずになって、後はずっとベトナムやらタイやらにやられっぱなしだ。アンコールワットはベトナム人の奴隷まで使って建てたんだろ?そういった祖先をもっていることに、カンボジアの国民は今でも強烈なプライドを持っているんだよ。今の日本とは大違いだ。

魔女狩りに明け暮れる日本のメディア
ー日本の近況についてはどうやって情報収集を?
後藤 知り合いが日本から訪ねてくるし、日本人の若い子たちとも話してる。バックパッカーっていうのか?旅をしてる若い子たちを一度家に泊めて飯を食わせて小遣いをやったら、それが噂になってな。「後藤さんのところに行くと、ただで泊まれて小遣いまで」って噂になった(笑)。上智や早稲田といった立派な大学を出た連中も来るが、話しを聞くと、国も職場もとにかく息苦しいそうだ。
 俺は毎日、NHKのニュースや新聞、週刊誌にも目を通してるんだが、週刊誌はもうどうしようもないな。人の悪口、アラ探しばっかりでまともな記事なんてない。みのもんたの息子が警察の世話になったからって、なんで親父が番組まで降りなきゃならん?高いところからモノを言ってるあいつのことは、俺もすきじゃないが、それとこれとは別だ。こいつは悪い奴、こいつはいい奴と魔女狩りごっこをやってるだけじゃないか。今の日本の縮図だ。
 今年、NHKを毎日見ていて鼻についたのが熱中症のニュースだな。俺たちが子どもの頃も夏は暑かったよ。でも熱中症なんて言葉はなかった。暑けりゃ水を飲んだり日陰に入ったりして、自分で調節したもんだ。それが毎日毎日、ニュースのトップで今日は何人倒れただのと大騒ぎしてる。「水分を十分補給してください」なんて毎回毎回言うことか?こっちは1年中暑いんだよ(笑)。でも誰も熱中症で倒れやせんぞ。
 カンボジアって国は、そりゃ遅れてるかもしれんよ。交通法規だってないようなもんだ。自動車やバイクを運転している者で免許を持っているのは1割くらいだろ。プノンペンではすごい渋滞が起こるから、我先に道を抜けようと対向車線に入ってくる。警察はそんなもの、取り締まらないよ。でも国民は法律で守られなくても、自分の能力で自分を守ろうとするんだよ。
 車の調子が悪くなっても、正規の部品なんてすぐ手に入らないだろ。だから、町工場のオヤジが、スパナ一本で大概の故障は治しちゃうんだよ。昔の日本の町工場みたいなもんだ。

暴排ブームの先には国民の魔女狩りが
ー引退から5年、日本では暴排条例が定着して、締め付けが厳しくなってます。
後藤 日本の国家からみれば、引退して5年が経過しようが俺は「ヤクザ」なんだ。俺自身はそれでもよろしいと思っているが、俺と一緒にやめた若い衆は、カタギになってもいまだに同じ扱いを受けている。実際にあった話だが、現役時代に銀行口座を作ったというんで、すでに辞めているのに詐欺で捕まってるんだ。
 こうなると、詐欺罪の時効は7年だから、カタギになっても7年間ヒヤヒヤしてなきゃならん。ヤクザの時代に偽名でゴルフをやっていたのが、今になってこれも詐欺でパクられてる。
 随分住みづらい国になったもんだな。せっかくカタギになったんなら、そいつが社会人1年生としてスタートするきっかけを考えてやるのだ、そもそも政治ってもんじゃないか。
 自民党の安部首相は、増税を乗り越えれば、次は憲法改正に進むだろう。憲法9条改正、俺も大賛成だ。しかしだよ、憲法21条改正ってのはどうなんだ。自民党の憲法改正草案の解説を読むと「交易や公の秩序を害する活動に対しては、表現の自由や結社の自由を認めない」とある。この「結社」にはヤクザも当てはまるな。これが認められた場合、ヤクザは地下に潜るしかない。辞めたってパクられるんだから、ほかに道はないだろ。
 マスコミや野党もうかうかとはしてられないぞ。権力批判のあり方によっては、反社会的と烙印を押されて、活動の制約を受けることになるんじゃないか。「反社会的」ってあまりにも曖昧な言葉だな。最近流行りのコンプライアンス(法令遵守)という言葉もそうだ。法令遵守なんて当たり前の話じゃないか。それをわざわざ持ち出して、みずほの融資の件じゃ頭取が国会で参考人招致までされてな。ヤクザが自動車ローンを組んでただけだろ?不正融資でもなんでもない。それと特定秘密保護法案の「秘密」ってなんなんだ?
 曖昧な言葉で正義と悪を仕分けする風潮はやがてエスカレートして、一般人が「反社会的」と烙印を押される日も来るんじゃないか。これじゃあ、まるで国民を粛清しまくったスターリン時代のソ連だ。
 義理と人情とおおらかさ・・・・これが日本のいいところだったんだがな。ますます息苦しい国になるな。

ーもう日本には帰りませんか?
後藤 俺の心は「さらば日本、されどアイ・ラブ・日本」だが、フン・セン首相や国会議長のヘン・サムリンたち政権トップとの交流も進んでるんだよ。もっといろんな事業に取り組みたいし、日本との架け橋にもなればいい。物事を動かすためには政治との関わりは不可欠なんだ。カンボジアという国家は、俺の存在を認めているわけだから、しばらくはここで頑張り続けることになるだろうな。