こんばんは音譜
地域リハビリのスペシャリストを目指すたけじゅんですハロウィン

先日の職員研修でいい話があったので紹介します(長いですが全文)。


東京都の知事が、重症心身障害児の施設に行って、「この子達に金をかける価値はあるのかい?」と言った。

これが世間の人間観ですね。

というのは、人間そのものではなく、人間の持っている身分、立場、肩書、財産、障害があるかないか、病気があるかないか、属性で判断する。

そこに重症心身障害児のように、社会的な効用を持たない者は排除する。

差別されるという社会を、私どもは作ってきました。

これを超えようとするのは、親の愛だと思いますよ。

『五体不満足』の乙武洋匡さん。

彼が生まれた時に、手足がないんですよ。

で周りの者が気を遣って、お母さんに合わせまいと、お母さんは狂乱状態になって倒れるだろうと心配をしてしばらく会わせなかった。

でお母さんが初めて会いに行って、手足のない彼を見て「まぁ!かわいい!」と言ったそうです。

これが親の愛ですよ。

そして洋匡さんは親の愛を受けて立派な大人になりました。

ただ、親の愛というのは限界があるんです。

保育園の運動会を見てください。お父さんが一生懸命写真撮っているでしょう。

自分のことなんですよ。

人のことじゃないんですよ、親というのは。

自分の子供だけにレンズを向ける。

自分の子はかわいい、でも人の子までは及ばないというのが親の愛ですね。

これに対して、福祉というのは、すべての人に愛を注ごうというチャレンジなんです。

社会に対するチャレンジなんです。

そこに人間観という問題が出てきます。

人間とはいったい誰なのか。

それをどう理解するか。

そして自分はどういう人とのかかわりを持つか。

両者に対する自分の態度をどうするのかというのが、今日の焦点だったと思います。

聖書では、「神様は人を偏り見ない」って書いてあるんです。

誰であれ、まったく等しく、一人の人格として神様はご覧になる。

そして、その人の中で、最も小さい者を一人を大切にしなさいと言っているんです。

これがキリスト教社会福祉の入り口だと思います。

自分はいったいどういう存在なのか。

人はどういう存在なのか。

人と自分がそれをどういう関係で結ぶのか。

そのことに、一人一人の個の中で、思いを深め、広げていきましょう。

OTたけじゅんの地域リハブログ
こんなスピーチができる日が来るといいなぁ。
因みに話者は、私の勤務先の会長で、母校の元学長のアノ方です。