書は「呼吸の芸術」とも言われます。

 

自分の呼吸のあり方を感(観)じる機会は、

大切な書のお稽古です。

 

写真は、「ヒモトレ」というメガネを使って

息の通り方を観察する時間。

 

バンザイ深呼吸。

 

ヒモがないと腕の重さが負担となり、

胸郭のふくらみをブロックするような。

 

手に紐を巻きバンザイ深呼吸すると、

腕の重さの負担が解消され、

胸郭の膨らみ、呼吸感が深まります。

 

オモシロいのは、どこに巻くのかによって

息の通り方が変わること。

 

胴体に巻くと、真ん中に空気が集まるような。

足首に巻くと、腰腹の空気が膨らむような。

 

なぜ、変わるのかは理解できません。

しかし、理解しなくても納得をします。

 

ヒモを巻くだけで呼吸感が改善したという事実を

身をもって感じるからです。

 

 

呼吸の通り≒筆先の通りを良くするには、

カラダ全体の通りを引き出すことも大切です。

 

上半身と下半身、前と後ろがバラついて

通りが滞らせがちな現代人にとって、

蹲踞は、質の高い稽古を生み出す原動力となります

 

 

背中に巻くか。腹に巻くか。膝に巻くか。

これまた、どこにヒモを巻くかによって

蹲踞感が変わるからオモシロい。

 

 

書の文化を気付いてきた古人にとって

身体感覚に触れ合う日常は当然の前提でしたが、

 

ボタン一つで生活できる現代人には、

その前提が欠けています。

 

しかし、古人と同じ身体感覚は、

現代人の身体にも備わっています。

 

毎月のように、

「初めて、立位前屈で床に手が付きました」

といった声をいただいています。

 

運動オンチだろうが、年をとろうが、

頑張らなくても、練習しなくても、

 

ほんの少しのキッカケで

カラダから新たな動きは引き出されていきます。

 

「あっ、自分にはこんな動きもできるんだ」

「まだまだ、いろんな動きができそうだ」

 

最も身近な自然であるカラダの

無限の可能性に触れる経験は、

 

新たな表現を生み出し、

それぞれの「書」を高めていってくれるのです。