投稿の頻度が減っとっていかん。

ついついダイレクトに反応のあるFBの方へ日頃の活動をUPしまいがち。

 

やはり誰しも閲覧できる「老舗(笑)」のこちらを充実させねばと。

先日のクリスマスイブ、天龍村に滞在した後に朝8時に到着したのは、ここ飯田市南信濃にある「木沢小学校」。木造校舎や猫のたかね校長が有名。

 

ですが、私の今回の目的は…

 

この木沢集落から、小嵐神社を目指して歩くこと

見取り図における学校と郵便局との間の細い道が参道にあたります。

 

途中で途切れますが、大部分が残っていることから、その道に沿って登っていきます。


スタートは旧木沢小学校横にある鳥居。【8:37】
小嵐神社はお稲荷様であることから、多くの氏子が途中に鳥居を寄贈しているのです。

 

歩き始めは茶畑の中を進み、川の手前に建てられた鳥居を目指します。

 

 

振り返れば和田小学校の木造校舎と和田の集落、そして茶畑。

人の営みあってこその景色である事を感じます。

 

鳥居の向こうには川があり、「御園沢」と呼びます。

その右岸側(上流から見て)を登っていきます。

 

 

御園沢が谷止め(コンクリートの堰堤)になる手前を左へ曲がると、山腹に沿って九十九折りで登る道になります。最近はあまり歩かれていないためか、御園沢からこの辺りが判りづらいかもしれません。

 


杉が植えられた道には深く杉の葉が降り積もっていますが、間伐や侵入してきた竹を伐採された跡があり、人の手が加えられている事が判ります。朝日が差し込む木々の中を登っていきます。

 


ふと物音がしたかと思ったら、上の山腹を左から右へとニホンジカ2頭が斜面を駆けて行くのが見えました。(残念ながら撮影はできず)

 

 

さらに登っていくと左右に分かれ道がありますが、右側が正しい参道。

 


ですが、途中で道は途絶えます。

元々は茶畑であった場所(現在は薮状態)に道が続いていたようですが、林道の開設に伴って消えています。

 

上に見える林道を目指して上がると…

 

朽ちかけた鳥居と、新たに建てられた鳥居があります。

途切れた参道の入口です。【9:01】

 


参道沿いの森は、所有者の意向の違いを如実に表しており、木々の様子が異なります。

ある場所ではアカマツを中心とした広葉樹がある森、

 

ある場所では植えられたヒノキ・・・といったように表情を変えます。

 

 


人の手が加わった森の中でも、少し暗くとも生長することのできる常緑の広葉樹や針葉樹が実生で生えています。ここにはモミをよく見かけました。

 


ですが大きさと葉の広がりから、大きく生長するための光は足りていない。

じっと耐えて、周囲の木々が何らかで無くなり、光が増えるのを待っているのです。



やがて林道に合流します。【9:15】

このあたりは「イシボトケ」と呼ばれていたようですが、由来が…よって、周囲に石仏があるかと見渡しましたがありませんでした。

 

鳥居をくぐるとすぐに林道、

 

そして次の鳥居。【9:16】

 

 

この参道の区間には途中に鋼製の立派な鳥居がありました。【9:20】

 

 

この参道の周囲は、アカマツを中心とした明るい林ですが、今年相次いで襲来した台風の影響なのか何本か倒れているアカマツもありました。

 

この辺りまで上がってくると、少しづつ植生に変化。【9:50】

 

アカマツの比率が高まると共に、その下には

 

 

常緑樹のソヨゴ。

飯田下伊那では、神事に用いる榊(サカキ)が自生しておらず、このソヨゴが替わりに用いられています。

 

 

随分と登ってきました。【9:38】

この左手のあたりは「灰焼渡山」との資料があります。

 

 

広葉樹のコナラが多い植生を見ると、コナラを用いた炭焼きやそれから出る灰を得ていたのかもしれません。

 

私は森林インストラクターなので、どんな状況の森や林であれ、実情を知り伝えるのが役割ですが…

こういった明るい日差しが降り注ぐ森が好きです。

 

参道の中でも、人工林が幾つかありましたがこの区間はまだ木々が小さく手入れも行き届いており、明るい森でした。

 

 

やがて尾根に出て、少し歩くと鳥居の向こうに林道が見える場所へ【9:53】

 

どうやらこの区間だけは林道と重複せざる得なかったのか、参道が林道へと替わっているようです。

 

林道を少し歩くと

 


左手によく管理された四阿(あずまや)と鳥居。【10:00】
ここが「小嵐公園」で、少し突き出た峰の上にもうけられており、南アルプスを望むことができる場所です。

 

正面には池口岳、

 

左手には下栗の集落や、

 

その奥に連なる聖岳。

暖冬といわれますが池口岳以外はすっぽりと白い雪を頂いていました。

 

 

よく管理された四阿にて

 

天龍村にて頂いた海苔が巻かれた珍しい「ゆべし」を食べながらウーロン茶を飲んで小休止。

弾んだ息を整えます。

 

この公園にあるダケカンバ(シラカンバかも)には、この辺りには珍しい「ヤドリギ」が寄生してて、

 

よく見上げてみれば

 

黄色の花が咲いてました(嬉)

 

 

15分ほど休憩したら再び林道を歩き始めます。【10:15】

 

林道の向こうに再び参道が見えてきます【10:17】

 

 

この辺りまでくると、標高も950mを越えてきており、随分と登ってきた感が強まります。

遠山谷の峰々を見ていると、その深まりに「神々が棲む」と言われるのが良く判ります。

 

すぐ左上に林道がありますが、この参道もしっかり残っています。

 


ですが、小嵐神社まで後少しというところで枯れたアカマツの倒木に阻まれる
またその部分は上にある林道の横断側溝からの排水にて斜面がえぐられ、それが参道をも…
車が通られればそれでよいのか?自分もかつて林務行政に携わったこともあり、かなり気分が悪い。
仕方なく足場を確かめながら倒木と崩落カ所を下側へ迂回。

 

神社のトイレが見えてくれば、ゴールはすぐ。


そして小嵐神社へと。【10:30】

 

木沢小学校から約2時間の道のりです。

途中で一部参道が途切れた場所もありましたが、その信仰の深さやかつてこの道を飯田方面(千代)へと行き来した古道の名残なのか、道幅もそれなりにあり勾配も緩めにとられていた参道でした。

 

本当はお参りしたかったのですが、物凄く霊験あらたかな神様であると伺っており、喪中の自分は明けてから再びお参りすると鳥居の前で頭を垂れてお伝え。

 

 

その後、本来の目的である「千代峠」へと向かいました【続く】