Joe先生の散歩道
毎日ふさぎ込んでネットを見てても心は晴れない娘婿のJoeさんが芋掘りに誘ってくれて芋を掘った。「おー!芋が三つ出て来たぞ」久しぶりの笑いが畑に響く「家にいると運動不足だから散歩に出よう」Joeさんに誘われて歩く事にした。Joeさんはアメリカ人、私は英語はまるでダメだから何時もの珍道中が始まった。Joeさんは何時ものペースでスタコラ歩いて行く「おーい待ってくれJoe!」久しぶりにまともに自然にふれて気持ちがほぐれて来る”気持ちいい”「Joe どこへ行くのか」「真福寺へ行こう!」この道は道祖神が多い真福寺が近づくほどに石像が増えて来た。「この道は日本を感じていいね」いよいよ真福寺が近づいてくると道も急坂になって私の呼吸も苦しい、「Joe、待ってくれないか」「お父さん大丈夫?」ここから真福寺の境内である急坂で呼吸が苦しい「お父さん大丈夫?」「大丈夫じゃ無い、俺は苦しいのだ」おー!ここのお寺には重要文化財が沢山ある今日は時間が遅いからまたの機会に鑑賞しよう不動明王の像が立っている「向こうは観音様でこちらは不動明王だ」あれは鳥居があるから神社だろう、こっちは寺だよ、アメリカ人には説明がし難いことだ屋根の上にある物はなんだろうか「知ってる?」いや、わからない!アメリカから日本に来て30年、日本人より日本が好きなのだJoeさんは日本の自然が大好きで真福寺界隈を散歩する「ちょっと待ってくれ!Joe さん」足の速いJoeに追いつかない私真福寺境内の下まで降りて来て池の赤い橋を渡る「あ!、鯉だ」そして自動車道まで来てホッと一息だ。今からただひたすら自動車道を歩いて出発点に向かう此処にも道祖神がある昔はそれぞれ道端にあった道祖神だが此処に集められたようだ。この道を登ると工場地帯が有るので朝夕のラッシュは通勤の車が多いが日曜日はのんびり歩けるのだ。こんな実をつけた珍しい植物を見つけたが名前がわからないどうやら毒草らしい。畑で山羊を飼っているのを見た家を訪ねた。山羊の名前はピーコさんと言います私は、太平洋戦争末期の生まれだったので母は栄養失調で母乳が出なかった。その時、私は山羊の乳で育ったのです!。”戦争は怖いです”よ大人しい山羊を見て懐かしさを覚える私です。あれは何ですか?「猪を捕獲する檻です」と、この家のご主人が教えてくれた。猪も猿も出没数が増えている現実を見たのです。この集落の上では工場地帯とそれにアクセスする道路建設で生息域を奪われた動物たちが餌を求めて里に降りて来ている現実を見たのだ。真福寺を歩くトレッキングであったが最後に自然破壊の現実を見てしまったアメリカ人のJoeさんと,日本人の私であった。