冬の傾いた日差しの中で綿繰り機の音が響く

そういえば[夢織人]の発足当時は三河木綿の宣伝の為に

綿から織物が出来るまでを実演と体験を通して

三河織物を知ってもらおうと各地の各施設のイベントに参加していた。

 

キー!キー!と鳴り響き機織りの音がすると

お客様が集まりイベントは賑わう

それが蒲郡の三河木綿と三河織りの宣伝であった。

 

今日は生徒のmarikoさんが綿繰り作業をしている

「綿に茶色の綿があるんですね」

そんな疑問から始まったmarikoさんの綿繰りである

「私、絶対やってみたいです」

その決意は二人での”創り”の始まりとなった

天然の綿でマフラーを織るにはどれだけの綿が必要でしょうか?

「大変なことを始めてしまった事を理解してますか?」

「分からないけどやってみたいです、教えてください」

私にとって願ってもいない弟子の出現である

コロナ禍の今、最後に伝える和棉の技になるかもしれないと

冬の陽の斜光の中で覚悟をした。