このところ手紡ぎの指導が多くてガラ紡機から離れていたが、
今日はガラ紡機の試運転で朝から撚り機のデータをしらべた。
絹の3色のミックス糸を作って撚り上げた。



単糸と双糸を合わせた糸の撚り方向SZ2通り変えて糸を作ってみた。

糸の撚り回数や張力でもかなり糸の表情が変わる。
作る作品の用途に合わせて糸を作る醍醐味は、織物企画をする者にとって
オリジナルの糸作りをやってみた者でなければ分からない世界が見えて来た。


織物作りをして生きてきて早くも人生終着点に近く、振り返ってみれば
これからはグローバル化だ!と言われから久しく、
今度はTPPだ!と言われまた世界を相手のビジネスに振り回される。

中小零細企業も独自の技術開発だと言われ、
その技術でさえも今の世界の早い展開に明日の保証もない。

私は綿畑に1人、土の匂いの中にいてホット安堵の気持ちに襲われるのは何故だろう。
私の場合繊維の原点と未来を大地に可能性を求めたのだ。

そして日本の繊維産業の原点は農業であったと知った。

大切なものは、そこにいるバクテリアであり土壌菌であり、そこに生息し共生している
虫や草も私も土の世界に生かされていることを知ったのだ。

現実逃避ではない、最後の挑戦である。