映画「硫黄島からの手紙」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「硫黄島からの手紙」

原題:Red Sun, Black Sand (Letters From Iwo Jima)
硫黄島に眠っていた、その手紙は61年ぶりに発見された、地中にあった硫黄島からの手紙、それは輸送爆撃機「一式陸攻」によって配達されるはずだった・・
iwojima
硫黄島からの手紙

時は1944年6月、指揮官として陸軍中将の栗林忠道(渡辺謙)は東京都小笠原村硫黄島に降り立つ。アメリカ帰りの彼は、連合艦隊の支援もないままの水際での塹壕作戦を改めトンネルを張り巡らすことで、5日で落とすといわれた硫黄島を、水も弾薬も尽きるまで1945年2月から3月の1ヶ月以上も持ちこたえさせた。
この映画、"コンバット"を観ているような錯覚に少々陥る。アメリカ人のクリント・イーストウッドの映画かなとも思えるようなドライさかもしれない・・。それはオクラホマのママから戦場の息子に宛てた手紙、"自分の信じる正義を突き進めば、それが正義になる"みたいな意味のことが綴られていたことで、いかにも象徴的に感じるし、バロン西(伊原剛志)を大きく取り上げているのもアメリカ的な印象を受ける・・。
映画を観る時なるべく先入観を入れないようにして、あるがままを感じたいと思うが、先にドキュメンタリードラマの「硫黄島~戦場の郵便配達~」を観た。「一式陸攻」の機長根本少尉(伊藤淳史)と、栗林中将に請われて硫黄島に赴任した市丸利之助少将(藤竜也)を中心とし、名もなき兵士達の手紙の内容も数多く語られていた。ラジオ放送で戦場に届ける手紙や、最後の市丸少将からルーズベルト大統領に宛てた手紙も感動的だった。


そして「硫黄島からの手紙」、戦争映画とはいえ、きっと手紙の中身にも言及し泣かせるヒューマンドラマになっているのではないかと・・そういう意味では『ミリオンダラー・ベイビー』の時に味わった感覚と似ているかもしれない。とはいえ、虐殺などの衝撃的なシーンも多く、火炎放射器に焼かれるシーンとか、着弾により足が千切れて血が噴出しているところなど、とてもリアルすぎて直視に耐えない。・・西郷(二宮和也)の目を通してみる重厚な戦場の人間模様を描いたドラマのようでもあり、見ごたえのある映画であることは間違いないだろう・・。憲兵くずれの清水役の加瀬亮、伊藤中尉役の中村獅童は、いずれも最後が悲惨な役でちょっと可哀そうにさえ思ってしまった・・。それにしても栗林中将の騎兵将校用コルト45は自決用に贈られたものという結末、皮肉なのか・・。(レイトショー)  硫黄島からの手紙