映画『恋人までの距離(ディスタンス)』 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画『恋人までの距離(ディスタンス)』

原題:Before Sunrise ~Before Sunsetへと続く道のはじまり~
列車の中、隣の夫婦喧嘩の喧噪から席を移ったセリーヌ(ジュリー・デルピー)、通路を挟んでジェシー(イーサン・ホーク)、ここから物語が始まる・・・。
before_sunrise(1995) Before Sunrise

出会いは、女性が積極的だ。現実にはないだろうなぁって思ったけど、女性のほうが積極的ならああいう展開も十分頷ける。ほとんど二人の会話だけで物語を成立させてしまっている映画なんだけど、見知らぬ二人が恋人へと進化する過程が、やや不自然のようにも感じるが、非常に興味深い二人の会話に聞き入ってしまう、それはとても素晴らしいこと。特に気に入ったのは、デートに戸惑いを見せる女性に対して言う言葉「もしも何年後かに結婚していて倦怠期を迎えていて、若い頃の自分を思って、もしもあの時あの人と付き合っていたら今の自分はどうなっていただろうって、思うことがきっとあるよね、今このときは、未来の自分がタイムスリップして来ているって考えるんだ、そうそしてこうやって二人でデートしてる、そして・・未来の自分の選択が正しかったことを確認できれば、それもいい」
終わり方がまたいいね、別れた後それぞれの元の自分の居場所に向かって一人で、物憂げに寂しげについさっきまでの出来事を噛みしめるように・・半年後の再会の希望と寂しさが入り交じり何とも言えない別れの表情を映すシーン・・・。  (12/20wowow)