17年前の交通事故。
あの事故で人生が変わった。
その日もいつもと変わらず相方の車で仕事へ出かけた。
家を出て20分がたったころ、
前を走っていたタクシーが客を乗せるため急停止した。
僕たちの車も急いで止まりほっとしたその時
第六感が何か危険を感じた。
「もしかして」とサイドミラーに目をやると
そこには明らかに斜めになった車が!
「これが等速直線運動だよ!」と理科の学校の先生なら興奮して言いそうな、
みごとな滑り方ですぐ傍までせまっていた。
「ドンッ!」
僕はぶつかると思っいたので構えていたから軽傷で済んだが、
相方はあきらかにダメージを受けていた。
そして、ぶつかってきた相手も同じようにダメージを受けていた。
すぐに警察を呼び、現場検証と事情聴取が始まった。
大きなダメージを受けながらも一生懸命質問に答えている二人。
僕が軽傷だからなのか、警察は僕を完全に無視。
完全にアウェーな雰囲気・・・
野次馬じゃないんですけど・・・。
車がつっこんでくることを察知し、最小限のダメージで済むというファインプレーをしたのに・・・。
「何でいるの君?」といわんばかりの警察の態度
結局そのまま最後までアウェーの寂しさを痛感していた・・・。
いてつく冬の風が一層身に凍みたなぁ・・・。
まぁ、軽症で済み、当日と翌日は仕事が休みになり、
さらに当日と翌日の分の給料は保障してくれることになったからいいんだけど。
危険を察知した僕。
出来なかった相方。
わずかな差が、大きな結果の差を生むことになる。
それを実感した冬の朝の出来事だった。
この事故で思わぬ金額の保険金が入った。
相方が同乗者に手厚い保険をかけていたからだ。
「ありがとう!」
そう感謝していると、
驚くべき一言を言われた。
「俺のおかげで結構お金入ったしょ?少し返してよ。」
・・・
はぁ!?(怒)
おかしな相方とはそれ以降不仲になった。
それでも相方なので一緒に働かないといけない。
「どうにかしてよ、神様」と本気で思っていた。
すると、
1ヶ月もしないうちに相方が取引先の方を怒らせて担当を外されたのだ!
「ありがとう!神様!」
今思えばあれは「引き寄せの法則」だったと思う。
嫌な相方がいなくなり、まとまったお金を手にした。
「この先どうしようかな?手に職でもつけたいなぁ。」
そう思ってテレビをみていた。
すると、
ネパールで鍼灸師をしている日本人を紹介してる番組が目に入った。
「・・・これいいじゃん」
そう思って鍼灸師になることを決心した。
ほんとうにそんな簡単にあっけなく決めたのだ。
人生で一番、
なんの抵抗もなくした決心だったと思う。
(これも引き寄せ?)
ちょうどお金もあったので、すぐに願書を出し、
入学試験を受けて専門学校の入学が決まった。
その学校で今の妻とクラスメイトとして出会うことになる。
そう考えると、
あの日の交通事故から人生が大きく動き始めたんだなぁ。
交通事故に合わないに越したことはない。
それは間違いない。
でも、もし事故に遭ってしまっても、
それがきっかけで人生が好転することもある。
起こること全てに意味がある。
たとえその時に不運だと思っても、
後で思い返すと幸運への通過点だったことも多い。
もし今が辛くても、
きっと良いと思える日が来る。
うん。
今日も一日を楽しもう。