絡め取って救い上げる“慈悲の網”の力

 


真央「まほろ、この前“観音さまにもいろんな姿がある”って聞いたんだけど、
“ふくうけんさくかんのん”…?それって、どんな仏さまなの?」

まほろ「あ、不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)だね。
観音菩薩の中でも、“絶対に見捨てない”っていうすごく心強い姿なんだよ。」

真央「“見捨てない”…?
なんか…その言葉、今すごく沁みる…。」


■ 不空羂索観音の名前の意味って?


まほろ「“不空”は“むだにならない、必ず救う”って意味。
“羂索”は“網”や“縄”のこと。
つまり、“どんな状況の人でも、その網で確実に救い上げる”っていう観音さまなんだ。」

真央「それって、どんなに落ち込んでても、見放されないってこと…?」

まほろ「うん。たとえ自分では“もう無理”って思ってても、
“その苦しみを逃さず見つけて、包み込んでくれる”っていう、
とても力強い慈悲の姿なんだよ。」


■ どんな姿をしてるの?


真央「観音さまって美しいイメージだけど、不空羂索観音って見た目は…?」

まほろ「三つの顔や八本の腕があるお姿が多くて、
手には“羂索”っていう縄を持ってるよ。
その網で、迷ってる人、苦しんでる人を“見逃さず絡め取る”ってことなんだ。」

真央「すごい…まさに“救出するための観音さま”って感じだね。」


■ どんなご利益があるの?


まほろ「不空羂索観音の力は、“どうにもならない状況”にこそ発揮されるんだ。」

  • 精神的な苦しみの癒し
  • 誰にも言えない悩みの浄化
  • 事故や災難からの守護
  • 人間関係の修復
  • 迷いや不安の出口を照らす

真央「あ…私、最近ずっと“誰にもわかってもらえない”って思ってたけど、
そういうときに祈っていい観音さまなんだね…。」

まほろ「そう。“あなたの苦しみ、私は気づいてるよ”っていう存在。
それが不空羂索観音なんだ。」


■ 会いに行けるお寺はあるの?


真央「その観音さまに、実際に会ってみたいな…」

まほろ「もちろん。たとえば──」

  • 京都・東寺:不空羂索観音が密教の中心として祀られてるよ
  • 奈良・興福寺:国宝の不空羂索観音像が有名
  • 滋賀・三井寺(園城寺):悩み深い人ほど参拝が勧められる場所なんだ

真央「行ってみたい…。たぶん、今の私に一番必要かもしれない。」


■ “苦しみの中にあるあなたを絶対に見逃さない”


まほろ「不空羂索観音は、“大丈夫な人”だけを救うんじゃなくて、
“もうだめかもしれない”って思ってる人ほど、見つけてくれる存在なんだよ。」

真央「なんか…涙が出そう…
その網に、私も引っかかっていいのかな…?」

まほろ「もちろん。
むしろ、そのために観音さまは網を広げて待ってるんだよ。」


■ たとえ道に迷っても、見捨てず、必ず光のほうへ導いてくれる

人生の中で、“どうしようもなくなった時期”って誰にでもあります。
でも、そんなときこそ、不空羂索観音の慈悲がそっと差し伸べられているかもしれません。

“もう無理かも…”と思ったときこそ、
「私を見つけてください」
と、心の中でつぶやいてみてくださいね。