ドイツで最も小さいGKコーチのブログ

ドイツで最も小さいGKコーチのブログ

ケルン体育大学やクラブの事を中心に発信していきます^^

GKコーチとして武者修行をするために2012年に渡独したドイツで最も小さなGKコーチ。
ケルン体育大学競技スポーツ科学部で学ぶ傍ら、当時U19ブンデスリーガウェストに所属をしていたSCフォルトゥナ・ケルンU19GKコーチに就任。

その後、クラブはドイツに54個存在するドイツ協会公認の育成アカデミー、通称NLZ(Nachwuchsleistungszentrum)に加わることを目指し育成整備を始めた事を機に、2017/2018シーズンよりGK育成統括部長となりGK育成コンセプトの作成を行う。

また、アナリストとしても職業訓練中。

DFB公認B級ライセンス所持
DFB公認GKコーチ養成コース 上級コース終了

Twitter: @TakatsuguFC

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チームケルンという組織を聞いたことはあるでしょうか?

ドイツ・ケルン体育大学に本拠地を置き、スポーツ学位を取得した学生、もしくはケルン体育大学で学位を取得中の学生が中心となり、サッカードイツ代表のために分析を行うチームです。2006年からケルン体育大学とドイツサッカー協会の共同プロジェクトとしてスタートしたようで、日本でも2014年のドイツ代表の躍進をサポートした組織として話題になったのもまだ記憶に残っている方もいらっしゃるかと思います。

チームメンバーの殆どが学位取得中の学生であるため、アナリストとして働く為には十分ではないのかもしれませんが、定期的にワークショップで知識身に付け、実際にゲーム分析を行うことで経験を集めワールドカップでドイツ代表に微力ながら情報を集める仕事をするという、お互いに取ってWin-Winなプロジェクトです。 

ワールドカップ2018のために結成されたチームケルンの一員としてゲーム分析を学ばさせてもらい、先日卒業を致しました。



僕自身、選手時代は高いレベルでプレーしていたなど口が裂けても言えないレベルですが、
チームケルンのワークショップを通して知識を学び、自分の分析パートナーと一緒に意見を擦り合わせながら現場レベルで分析をできた事は、サッカー理解を深めることができ、指導者として糧になると思います。
また、GK分析に現場レベルで関わらさせて頂き、ドイツサッカー協会のGKエリートキャンプにも参加させてもらえました事はドイツのトップレベルの取り組みや協会がどのような方針で動いているのかを知る貴重な経験でした。




幸運ではありましたが、現在所属しているフォルトゥナ・ケルンU19の監督に信頼をして頂き、試合後のゲーム分析も担当をさせてもらえていることはこの先に繋がると思っています。

何事もそうですが、その組織にいただけでは何も成さないし、自分の目標には到底届きません。
ここからもっと駆け上って行けるようにチームケルンで2年間を活動してきたはずなので、この先にどこの組織で働こうとも、直ぐにその力が発揮できるように更に研ぎ澄ましていこうと思います。


Taka


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フットボリスタ1月号ではGK特集が組まれており、いつもドイツで大変お世話になっていますライターさんの方から僕へのインタビュー記事が載っております。

もし、ご興味がある方がいらっしゃいましたら、全国の書店等、また電子書籍版もあるようですのでそちらもお買い求め下さい。


「„ドイツで最も小さな実コーチ“落合貴嗣が教えるGKの育て方」

今後も自分のブログ等も含めて様々な媒体で、自分の意見を発信する事が出来ればと思いますので、是非、宜しくお願い致します!


Taka



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先々週の土曜日はTaktikrという企業がケルン体育大学との共同でプロの世界で働く方々を招いてサッカーカンファレンスに参加してきました。

 

 

FCアウグスブルク監督のマヌエル・バウム氏や

 

VfLボーフム監督のイスマイル・アタラン氏など、有名な方々が各セッションのテーマに合わせて話をされていました。

 

 

このカンファレンスにはホッフェンハイム監督のユーリアン・ナーゲルスマン氏とブラウンシュヴァイク新監督のアンドレ・シューベルト氏が欠席してしまいましたが、こちらの方の講演は聞くことができましたので良かったです。

 

 

 

ドイツでは非常に有名なボルシア・ドルトムントGKコーチコーディネーターのトーマス・シュリーク氏です。

コーディネーターとはHead of Coachの事で、彼はチームを担当せずにHead of Goalkeeping CoachとしてBVBのGK育成に従事しているそうです。

 

その彼の講演のテーマはゴールを守るプレーにおける戦術的行為。

GKのプレーは依然と比べて複雑になったと言われていますが、GKプレーの原則を詳細に説明をしてくれました。その原則に興味のある方はHans Leitert氏の“The Art of Goalkeeping Or the Seven Principles of the Masters“を読んでみると良いかと思います。

 

プログラム途中にあるコーヒータイムの会場はミックスゾームも兼ねており、講演者の方々に質問があるならどうぞ!ということでしたので、彼のところへ行き、

 

「DFBのホームページには、BVBがGK育成を始めるのは早ければ早い方が良いという方針にU10-11へGKにエクササイズ形式でGKトレーニングをしている様子が載っています。近年では常に試合に近い形式でGKトレーニングを行うようにと常に言われていますが、BVBU10-11

のGKトレーニングではエクササイズとゲーム形式のどちらを重要視していますか?」

 

という質問をしてみました。

 

今回はこの質問をベースにブログを書いていきたいと思います。

  1. 質問の経緯
  2. 僕の意見
  3. 彼の意見
  4. 考察
  5. まとめ

 

1. 質問の経緯

 

「GKへの専門化は早ければ早いほど、GKはより多くのプレーを学び、実行し、自動化することができる」

 

という一文が載っている記事がDFBのホームページにあるので以前からとても気になっていました。

 

また、講演当日はエクササイズ形式のU19GKトレーニングの様子をビデオで見せてくれましたので、それとも絡めていくつか聞きたい事はあったのですが、本人のところに着いた時には既に数人に囲まれていて時間もそれほどなかったので、色々と考慮した上で上記の質問をしました。

 

 

2. 僕の意見

 

僕の場合、U10-11のカテゴリーにGKトレーニングをする場合にはゲーム形式で行うことが圧倒的に多いです。理由としてはサッカーの基本構造(ゲーム理念)が組み込まれているトレーニングでは技術や戦術などの個々の要素が要求されるのではなく、ゲーム能力というものが問われるからです。

サッカーのゲーム理念について、ドイツ語圏のゲーム系統と練習系統の調査をされた佐藤靖氏の研究論文には次のような一文が書かれています。

 

„足で目標(ゴール)に蹴らなくてはいけない用具(ボール)が存在し、そして蹴ることを阻止しようとし、しかも自分のゴールに得点しようとする誰か(相手)が存在すると考えている“

 

この一文は教育学的指導法に関する書籍を多数書いているKnut Dietrich氏の書籍の一文の翻訳であり、ゾーンモデルを用いたGK指導法も彼の考え方がベースとしてゲームとエクササイズの妥協点を取った理論となっているようです。まだ書籍の読み途中なのですがHorst Wein氏のFunino(3vs3 - 4 Goals)もベースは同じと予測します(参考文献にDietrich氏の名前が載っていますので)。

 

https://www.dfb.de/trainer/f-juniorin/artikel/spielintelligenz-durch-funino-entwickeln-132/

 

【サッカーの基本状況】

①シュートを撃つ / 止める

②シュートチャンスを作る / 阻止する

③ゲームを組み立てる / 邪魔をする

 

まだ、勉強中なので間違っているのであればご指摘頂きたいのですが、

①から③に行くほど、つまり①と②、①と②と③という風にゲームの複雑性が高くなっていきますが、①のシュートを撃つ / 止めるがサッカーゲーム構造の中で最深部である事はサッカーというゲームが相手より多く得点をした方が勝ちというルールから読み取ることができます。

 

ですので、当たり前かもしれませんがGKトレーニングの大部分は①を扱う事となり、サッカーと同じ理念を持ったゲームを積み上げていくように心掛けています。

そして、Dietrich氏のサッカーゲーム構造の考え方を参考にして、自分なりにGKにフォーカスしてゲームを縮小した結果、ゲーム構造の中で“ブロックをする可能性が高い状況が“がサッカーの全体性を維持したGKにとって最も簡単且つ重要であるという結論に至っています。

このようにサッカーの全体性を維持しながらもゲームを簡素化し、少しずつ複雑性を上げていく(目標とするゲームに向けて積み上げていくこと)を方法学的ゲーム配列(Methodische Spielreihe)というようです。

 

 

3. 彼の意見

 

さて、彼の意見は異なりました。

 

ドルトムントではU10-11にはゲーム形式ではなく、エクササイズ形式でGKトレーニングを行うと話しておりました。

 

「GKトレーニングをゲーム形式でやらないのですか?」と聞いたところ

 

「いや、エクササイズだ」

 

と話していましたが、当日の練習のビデオや話している内容から、彼の言うエクササイズはゲーム理念のない純粋なエクササイズではなく、子どもたちに“特定の状況“がある”シュチュエーショントレーニング”と解釈をしました。

例えば1対1や1対2のような特定の状況を扱ったエクササイズ形式はゲーム形式と比べて状況がある程度スタンダード化されるので複雑性は低くなりますが、戦術的課題が強調されます。

練習ゲーム形式(Übungsspiele: 特定の状況を際立足せるゲーム)とゲーム練習形式(Spieleübung: 特定の状況だけを扱うエクササイズ)が存在して、これらの積み上げを方法学的状況配列(Methodische Situationsreihe)と呼ぶそうです。

おそらく特定の状況だけを扱うエクササイズを中心に配列していると思うのですが、こればかりは2ヶ月くらいドルトムントでインターンをやらせてもらわないとわかりません。

 

 

4. 考察: ゲーム形式かエクササイズ形式(シチュエーショントレーニング)か?

 

これらはどちらが良くてどちらが悪いという話ではなく、習熟段階に応じたを提供するための方法学だと思います。どちらにも長所と短所があります。お互いの短所を補うためにゲームとゲームの間に上記のようなエクササイズを組み込んでも良いと思います。

 

どちらの考え方も多かれ少なかれ『ゲーム理念』は維持していますので、技術と戦術が切り離されるということはないのかなと。ケルン体育大学の心理学研究所のマルクス・ラーブ教授も、『戦術練習で技術を扱わない事は失敗の原因である』と示していますので、このあたりの取り扱いはかなり重要なのかなと思います。

また、『戦術的知識は戦術練習で教えなくてはいけない』というのも失敗の原因であると。

 

ただ、GKトレーニングで“特定の状況“を扱うのは人数が限られているのでオーガナイズが難しく、基本的な戦術を学んでいる段階の子どもたちに勘違いを引き起こす可能性があることは否めません。

例えば、ゾーンモデルを用いてのシチュエーションGKトレーニングが典型的なパターンであり、1対1での対応を『ゾーン1』『ゾーン2』『ゾーン3』で分けるのは不可能ではありませんが、以前にも書いた通り、『ゾーン』は状況を描写する一要素なのであり、ゲーム全体を描写しているわけではないと僕は思うのです。

 

“エクササイズかゲームか“という議論は至る所であるとは思いますが、尽きるところそのような二極論的な議論は何ももたらさず、お互いの良いところと選手の現状を知った上で適した学習モデルを構築することが大事でないでしょうか?

ボルシア・ドルトムントU10-11のGKはフォルトゥナ・ケルンU10-11のGKよりレベルが高く、エクササイズでも既にゲームの状況を意識し練習ができるのかもしれません。(僕がコーチをしているわけではないのでわかりませんが。。。)

ただ、基本的なゲーム理解が充分ではない子どもたちに1つの特定の状況を扱うトレーニングを行うのはゲームとの関係性が希薄なので難しいのではないかと思っていて、僕はその状況をゲームにしてしまえばいいと思っているわけです。ゲームが始まれば子どもたちは与えられた環境に合わせて好き勝手にやってくれると思うので、こちらの役割はサッカーのゲーム理念に合わせた外的要因の設定だと思っています。

 

5. 最後に

 

勘違いしないで頂きたいのは、

 

「ゲーム理念のないエクササイズは悪だ!」

 

とは思っているわけではなくて、競技レベルが上がれば要素還元をしたトレーニングも必要になってくるはずですし、僕自身もそういうGKトレーニングをやります。

 

また、講演の最後に彼は「シュートを止めたいという意志の育み方」について話されており、

 

「GKのシュートを止めたいという意志は

相手のシュートを入れたいという意志から育まれる」

 

という主旨の発言をしていました。

 

これはどういう意味なのかはもうお分かりですよね。

 

Taka

 

 

参考文献

 

- Dietrich, Dürrwächter und Schaller (2012): Die großen Spiele: Basketball, Fußball, Handball und Volleyball

- Hohmann, Kolb und Roth (2005): Beitrage zur Lehre un Forschung im Sport: Handbuch Sportspiel

-佐藤靖 (1992): 球技の教材の系統性に関する研究:ドイツ語圏の方法学的ゲーム系統の概念の分析を中心に

- Raab (2000) : Techniken des Taktiktrainings - Taktiken des Techniktrainings

https://www.dfb.de/trainer/e-juniorin/artikel/komplexes-torhuetertraining-der-bvb-talente-2426/

 

こちらの記事はHohmann, Kolb und RothのHandbuch Sportspielが主な参考文献として書きました。


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今シーズンU19ではGKコーチだけではなく、ビデオアナリストとして帯同させてもらっています。

 

プレシーズンの時に一度だけビデオの切り取りや編集を手伝った際に、運良くその編集の質を評価してもらい、今シーズンはビデオアナリストとしても活動することになりました。

 

ビデオアナリストとはその名前の通り、試合を分析するお仕事なのですが、近年ではトップチームだけでなく、育成組織にも専門のビデオアナリストを置くクラブが少しずつ増えてきているようで、自分の知る限りではFSVマインツなどがビデオ分析班となるチームを育成部門にも置いていたかと思います。

 

さて、今回はビデオアナリストとしてどのように試合前の準備やその後の編集まで仕事をしているのかを書いていきたいと思います。

 

 

カメラの準備・設置

 

カメラの準備は最も重要な仕事です。試合の直前になってカメラが充電できていないとかなると大惨事です。うちのクラブでは1チームの1カメラを準備できるほどの予算がないので複数のカメラを各チームで使い回しです。カメラを受け取れるタイミングが試合当日になることが多いのですが、当日の集合時間はキックオフの1時間半前なので、その時にフル充電されているか確認をします。また、撮影の際はハイポッドと呼ばれる三脚を使って撮影をするため撮影に必要なタブレットの充電も同時に確認をした上で、ハイポッドの設置を行います。
最近では照明の柱につける事ができるコンパクトタイプなどもありますが、うちのクラブではKaro Systemと呼ばれるハイポッドを使っています。 

 

www.karo-sportsystems.de

 

ハイポッドで撮影したフォルトゥナ・ケルンの人工芝グラウンド。

 

 

 

シーンのタグ付

分析ソフトウエアでうちのクラブはHudl (http://hudl.jp/) さんと契約をしておりますのでタグ付アプリを自分のipadにダウンロードしていますが、僕は使ったり使わなかったりです。

 

ビデオの切り取りと編集

試合中に気になったシーンについての目星は付けていますが、試合90分をもう一度見直します。

そして試合の特徴がわかるシーン(繰り返し起こった状況)を切り取ってカテゴリー毎にフォルダーに分けます。シーンを全て切り終えたら、ミーティングで使う資料作りに入ります。

ミーティングは試合の次の日の練習前に行うので、資料作りのタイムリミットは24時間と割と時間があるように思えますが、ミーティングで見せたい動画は選手への宿題として次の日の朝には選手に送っておきたいのであまり時間の余裕はありません。キックオフが夜の場合はもう大変です笑。

 

資料作り

ミーティングで使う予定の既に切り取ってある動画を編集したり、パワーポイントを作成したりします。

ミーティングの初めに試合の特徴内容を簡潔に説明できるようにパワーポイント1-2ページくらい作成します。動画編集は選手のポジショニングや強調するために印を付けたり、何か指摘したいのであれば修正したりします。

この修正の際に活躍するのがGIMPというフリーソフトウェア。

修正したいシーンをスクリーンショットで撮って、選手のポジションングを適切に修正してビデオに差し込んでいます。

作戦ボードのマグネットを使って説明もできますが、ビデオ上の選手を動かした方が視覚的にも良いと思うので時間をかけてやっています。

 

プレゼンテーション

最後の仕事は選手と監督の前でプレゼンテーション。

事前にコーチングスタッフにどのような内容を話するか伝えており、スタッフ内で方針にズレが出ないようにしております。

ミーティングの時間が長くなると確実にグダグダになるので、コンパクトになるような時間配分、動画の見せ方など、一般のプレゼンのやり方と同じような点に気を付けています。

ちなみに、毎週プレゼンをするのであれば必要だと思いレーザーポインターの購入を検討していたところ、DFBアナリストの方が使っていたレーザーポインターならぬスポットライトに一目惚れをしてちょっと高かったけれども購入。

 

 

パソコンとシンクロして、スティックの方向が赤くなるのではなく、パソコンの画面が暗くなりスポットライトが当たっているように見えます。もちろん、スポットライトのサイズも自由に変えることができます。

また、手ブレも抑えることができるし、ズーム機能もついているので、フィールドの奥の方に映っている選手の体の向きを示す時に便利なので、今後も活躍してくれそうです。

 

 

という具合にGKコーチとしてだけでなく、ビデオアナリストとしても今シーズンは活動していきます。

アナリストとしてAusbildung(職業訓練)をしている最中でしたので、良い機会を得ることができたのではないかと思っています。

 

Taka


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GKの経験がない人には馴染みの薄い言葉かもしれませんが、GKのフォールテクニックにはコラポシングと呼ばれるテクニックがあります。

以下の写真を見てもらえれば、GKを経験された事ない方も見た事あると感じてくれると思います。これは一般的に想像されるダイビングと違い、ボールに近い方の脚を抜く事でセービングをするテクニックです。




◼︎一般的な前提条件

使うタイミングについて説明をする前にゾーンモデルついて少し書きたいと思います。

ゾーンモデルでは、それぞれ必要なプレーに応じてスタンド、フォール、ダイビングゾーンと名前が付けられ、仮ゴールのサイズに応じて主に必要なテクニックが示されていますが、このモデルにはGKのテクニック選択で最も大切な時間という要素が欠けています。
これはシュートのインパクトの瞬間からボールにコンタクトするまでのGKに与えられた反応時間の事を指します。この時間が短ければ短いほど素早い動きをしなくてはなりません。また、シュートコースも考慮はされていません。

例えば、直接フリーキックなどでGKの身体から遠い位置にシュートが打たれた場合、ステップを踏んでからダイビングは頻繁に見られます。しかし、仮にシュートのスピードが遅く、GKに多くの反応時間がある場合、ダイビングではなくローリングダウンでボールをキャッチできる可能性も考えられます。

ゾーンモデルで示されているのはGKとボールの位置関係ですので、テクニックの選択判断には然程影響がしないと思っています。もちろん、仮ゴールがイメージできる事は予測に関係して反応速度に影響してくるとは思いますが、最終判断はシュートコースとシュートスピードです。
このように前提条件を踏まえると各状況と各テクニックの特徴に応じて使い分ける必要がある事が見えてきます。


◼︎コラポシングの使用タイミング

フォールテクニックであるコラポシングとダイビングの決定的な違いはボールに近い方の“足を抜く“という事です。“脚を振る“という表現も聞きますが、個人的には“足を抜く“という方が好きです。
ボールに近い方の脚で踏み切るというプロセスを、“抜く“という動作で省く事でボールまでのアプローチを速くしてくれるので、反応時間が少ない状況では重宝するテクニックだと思います。
ゲームのフェーズモデルであれば、タイムプレッシャーが高い至近距離からのシュートや1vsGK、ヘディングシュートなどコラポシングを使う場面が多いかと思います。
また、遠距離からのシュートでもボールへの視界が遮られていたり、ボールの軌道が変わったりする状況でも必要になる場面はあるかと思います。

しかしながら、ボールから遠い方の脚が唯一の地面との接地面となりますので、ダイビングと比べて射程距離が短くなるのはウィークポイントと言えると思います。


◼︎抜く脚は前か後ろか?

コラポシングの抜く足を軸脚の後ろにする事で斜め前にアタックという意見を良く耳にしますが、僕個人としてはボールに近い方の足を軸脚を前に抜く方が良いと思っています。
理由としては、ボールに近い方の脚を横に踏み込んでボールにアタックする時間がないからコラポシングの必要性がある訳で、斜め前にアタックをする事で自ら時間を消費する必要性を感じないからです。
結局止めてくれればなんでも良いのですが、斜め前に出る時間があるなら脚を抜かずにボールに向かってダイビングやローリングダウンをしているはずです。


◼︎開脚ブロックとの違い

同じく時間的プレッシャーが高い時に使う技術で開脚ブロックがあります。詳しくは以前に書いた1対1の記事(GKの1対1における指針とプレーモデル) を参照して頂きたいですが、ブロックはその名の通りブロックテクニックにカテゴリー分けされます。

ブロックもコラポシングも反応時間が少ない時に使われますが、ブロックは1対1などのシューターまでの距離が近い状況です。
また、開脚ブロックの方が射程距離が短いので、こちらはシュートが身体に近い時に使う割合が高いと思います。

ブロックテクニックの応用ですが、グラウンダークロスの後のゴールを守るプレーの時にも使われる事があります。例えば、今年3月に行われたドイツ対スペインの親善試合でテアシュテーゲンが、グラウンダークロスからのシュートをな開脚ブロックで見事にドイツのゴールを守っていました。



今シーズンのホッフェンハイム対フライブルクの一戦でも、失点してしまいましたがフライブルクのGKシュヴォーローもやっていましたね。



このように写真を見ると分かると思いますが、ブロックは身体全体でボールを弾くテクニックであるため、99.99%セカンドボールが起きます。
それを考えるとブロックと比べて手の自由度が高いというのもコラポシングの優位な点であると思います。

開脚ブロックとコラポシングに限らず各テクニックにはそれぞれ特徴があり、それらが必要となる場面で練習をして行くことが試合を想定した練習だと思います。
状況が整えば身体もそれに応じて無意識に動く部分があると思うので。


Taka

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