第四十八回映画レビュー~グッドモーニングショー~ | novel2017のブログ

 

テレビ局が一番得意とすることは、テレビ局の内情を描くことに他ならない。一番シビアな部分と理不尽を常に感じながら仕事を全うする彼らの描くテレビ局内部は非常にリアルである。

 

 

このグッドモーニングショーも、ワイドショー番組の裏側を丁寧にデフォルメして描いている。ワイド―ショート報道番組の軋轢は、外側の人間からは決して知ることのできない実情だ。彼らならではの視点は斬新でおもしろい。

 

しかし一方で詰め込みの多さが気になる。主人公はワイドショーの司会者。息子はできちゃった結婚をするし、自分自身は共演者に勘違いされて付き合ってると言い張られ、それをワイドショーの番組内で公表すると脅される。そのワイドショー中に立てこもり事件が発生。そしてその立てこもり犯はなぜか主人公を名指しで呼び出し、警察官とともに立てこもり現場に行くはめに。。。。

と、三谷幸喜ばりのドタバタ劇が繰り広げられる。なのにどれも若干の薄さを感じざるを得ない。息子のできちゃった結婚の話はなんだか中途半端だし、妙に理解がいい。妻である吉田羊が達観した人なのが救いだった。あれが松居一代だったらとおもうとぞっとする。おそらく3時間でも収まらなくなる。

 

 

ワイドショーは報道番組なんかじゃない

 

その葛藤が根幹にある。「くだらないことばっか流しやがって!!!」と犯人に罵倒される主人公。生癪者側にも、そのジレンマは常にあるのだろう。視聴率のためにくだらないスイーツ特集をしたり、芸能人の不倫報道を伝えたり。そんなもの社会的な意義なんかないじゃないか、と言われればもうどうしようもない。その通りだから。でもワイドショーにもワイドショーなりの信念があり、そのジレンマと日々闘っているんだ!と懸命に奮闘ぶりで伝えている。

 

映画自体は特に素晴らしいとか感動したとかはなかったが、今一度ワイドショーを見つめ直すきっかけになった作品だったと思う。でも小倉さんは苦手だ。