第四十七回映画と音楽のレビュー~アズミ・ハルコは行方不明~ | novel2017のブログ

結論を一言で表すなら

 

 

「つめこみすぎ」

 

 

が適当だと思う。

 

 

 

 

主人公アズミハルコが行方不明になるまでの展開と、アズミハルコが行方不明になった後の若者たちの話がクロスしていく映画。

若者が中心に描かれるが決して青春ロードムービーなんかではない。かといって説教臭いテーマや問題提起があるわけでもない。ただ、地方の若者のリアルを描いている。

とは言ったものの釈然としないところがある。私自身地方の若者についての論文や研究に非常に興味があり、それなりに勉強しているせいか気になるシーンも少なくなかった。

例えば高畑充希演じる愛菜。地方にこもりキャバ嬢をしながらネイルアーティストになることを夢見る20の女だが、やけにわかりやすすぎる。わかりやすいというのは、キャラの事。あまりにわかりやすいキャラ設定。確かに地方の若者の要点はついているが、少々テンプレ過ぎるし過剰に表現している気がした。まあそもそも高畑充希のギャルの演技に無理があったのかもしれない。夜中にグラフィティをしながら徘徊するシーンでは、あんな感じで盛り上がる人っているのだろうかと勘ぐってしまう。それは私が大阪の人間で、東京のギャルを知らないからかもしれない。にしても一挙手一投足が鼻につく。

このように、この映画にはテンプレが多すぎたせいでベタな印象を持ってしまった。

他にもアズミハルコの実家には認知症の祖母とそれを世話する母親、世話を全くしない父親がいる。これもまた社会問題を端的に表しているが、これもまたベタだ。しまいには母親は発狂するのだが、それも別に大したアクセントになるわけでもなく、ベタがベタのまますーっとすぎていった。

アズミハルコの職場にはセクハラの男性社員と社長がいる。「早く結婚しろ」「羊水が腐る」とアズミハルコに執拗に言い、同じ職場の37歳の吉沢という女性社員には「あれはもう手遅れだ。」などと吐き捨てる。これもまたよくある社会問題だが、この二人の存在もベタだ。典型的なセクハラ上司。しかしあまりに都合がよすぎる。まるで、この物語の起伏をつけるために意図的に発言しているようにも見えてしまう。

愛菜の彼氏のユキオは、同級生の三橋とともにグラフフィティを始める。グラフィティとは街中にスプレーで落書きをすることだ。ユキオは短髪で大声で話しダルダルの服を着たいかにも今どきのヤンキー。一方三橋はいかにもオタクで、常にリュックを背負いチェックのシャツをズボンにインしている。のわりに眼鏡はしていないし顔はやけにシュッとしているのでオタク感が薄い。この二人もまたベタだ。もう散々こすられたオタク像とヤンキー像を今更焼き増しして登場させている。この凸凹コンビの違和感も面白みとしてあえて取り入れているのだろうが、見ている限り、なぜこの二人がそんなに仲良くなったのかさっぱり伝わってこない。三橋がグラフィティがうまかったことからチームを組みはじめるのだが、そもそもなぜ二人がその関係にまでなったのかわからない。

 

作品の出来に文句をつけるほど知識もないしずぶの素人なんだから黙ってみてろよと言われかねないが敢えて言いたい。

 

なんだこのベタな社会問題を切り取ってくっつけたなんちゃって若者映画は

 

と疑問を抱かざるを得ない。

どれもこれもベタでテンプレで中途半端で。高畑充希は絶望的にバカなギャルが似合わない。石崎ひゅーいはアズミハルコの恋人役だがイマイチしっくりこない。女子高生集団が男性を夜襲する事件が乱発するのもイマイチ整合性がない(いくら集団とはいえ女子高生が飛び蹴りしたり回し蹴りしたりとアクロバティックすぎる)。アズミハルコの先輩の吉沢は突然フランス系アフリカ人と結婚するのだがそれも何の事だかわからない。コンビニバイトの28歳の男性もいかにも過ぎて共感しづらい。

とにかくすべてがいかにも過ぎる。もしハリウッドで作られた日本映画が、京都で芸者が忍者にさらわれサムライが助けに行って城で戦い、勝ったサムライは芸者の父(黒縁丸眼鏡)に結婚を許される.......なんて映画があってもみんな見ないだろう?それと似ている。

出来過ぎだった、これは。いろんな社会問題を詰め込み過ぎてよくわからない。社会問題を提起するつもりでなかったのならなおさらもっと絞るべき、、、だと私は感じた。

 

ただ、アズミハルコの同級生の今井エリはよかった。地方若者のヒエラルキーとしてはトップで田舎臭さもなく洗練されていた。でも中日ドラゴンズの二軍選手と結婚したのちにすぐ離婚して地元に帰って来た。地方の人間のマックスがそれかと笑えないが笑ってしまう。

 

 

ということでこれは残念ながらおすすめしない。映画自体はそこそこ、設定と演技がダメ。蒼井優のセックスだけが希望だった。そして石崎ひゅーいが苦手だった。

 

 

最後に、石崎ひゅーいについて。せっかく音楽ブログだし。

彼の音楽は全く聞いたことがない。知っていたがなぜか聴こうとは思えなかった。今回聴いてみた。そして分かったことは「自分の直感って正しいんだな」ということだけである。

突然出てきてテレビドラマの主題歌とかやっちゃってすぐいなくなっちゃった印象だけど、彼の魅力はなんだろうか。二言目には「熱いメッセージ性と真っすぐな歌声」だが、あまりピンと来ていないんだよね。まあ好き嫌いは誰にでもあるから。

 

 

 

ちなみにエンディングはチャットモンチーでした。

音楽は環ROY。あんまりちゃんと聴いてなかった笑

 

そうそう環ROY、アルバム出したね。めっちゃよかった。いやよすぎてしびれた。絶対聴こう!みんな!絶対に!!