第三十三回映画と音楽のレビュー~パッセンジャー~ | novel2017のブログ

パッセンジャーとは乗客のこと。タイトルはあまりに簡素。だけれどそれ以外のタイトルが見つからない。孤独?葛藤?絶望?愛?

 
 
我々人間、もっといえば男というものは人種を問わず3種類の妄想に度々かられる。ひとつは「突如特殊能力を身につける」パターン。ひとつが「不老不死」。そしてもうひとつが「絶望と永遠の孤独」だ。ひとつ目はアベンジャーズシリーズの人気でよくわかると思う。スパイダーマンや日本でもウルトラマンなど、特殊能力を身につける妄想はいつの世も男性を夢中にさせる。不老不死と永遠の孤独は表裏一体。不老不死がゆえに孤独になるのか、はたまた無人島などに送り込まれ孤独を味わうのか。パターンは様々だ。
 
パッセンジャーは3つめのパターンに当てはまる。つまり「孤独」だ。宇宙と孤独は蜜月な関係にある。延々と続くあまりに広大な宇宙。年月の規模も桁違いだし、なにせこのインターネット時代に地球で孤独になるのはあまりに難しい。おそらく無人島でも携帯があればなんとかなってしまう。宇宙は孤独を表すのに格好の舞台だ。
現に、マット・デイモン主演の「オデッセイ」は一人取り残される映画で人気だったし、ゼログラビティ、月に囚われた男、など宇宙と孤独をテーマにした映画は数え切れない。









ただこのパッセンジャーの素晴らしさは、単に宇宙と孤独を描いたわけではないということだ。そこには孤独ゆえのエゴが生じる。物語は地球から新たな惑星に移住するための宇宙船内。120年以上かけて移動するその宇宙船内には5000人ものパッセンジャー(乗客)がいる。彼らは皆冬眠している。来るべき時を待ちながら。しかし主人公は冬眠装置の故障で一人目覚めてしまう。到着時間は残り90年。死ぬまで一人で生きねばならない。この船内で。
一人は嫌だ。ふと見かけた同じパッセンジャーに片思いする主人公。孤独を味わい続けた彼にとっての苦渋の選択だった。片想いした女性を起こしてやろう。。。要するに道連れだ。しかしそんなことをして良いものか。彼は悩みに悩む。そして………
 
 
 
孤独とは別に、もうひとつ、我々は強烈にある事実を突きつけられる。それは「目的」だ。人は常に目的があるから生きられる。なす術もなくただ死を待つことほど辛いものはない。
彼は生きる目的をどこに見出すのか。そこも見どころの一つだろう。
あらを探せば多少はあるかもしれない。おっさん、ID渡すためだけに無理やり出てきたやん
しかしそれでも見るに値する映画だと思う。音楽も非常に素晴らしい。要所要所のピアノとオーケストラが気持ち良い。大音量の映画館で是非聞きたい。音楽の総監督はトーマスニュートン。代表作に「ショーシャンクの空に」「ファインディングニモ」「007 スカイフォール」などがある。グラミー賞に6度とノミネートされている実力者だ。宇宙には音楽は聴こえないはず。でも違和感なく聴くことができるのは作曲者の手腕によるものだろう。
 

主題歌はimagine dragonsの「Lavitate」。イマドラとして親しまれているimagine dragonsといえば、ゲーム「ウイニングイレブン」にも起用され日本でもそれなりに知名度はあるかな。今時流行らないロックを健気にやっている。しかも割と壮大な音楽を。radioactiveなんか聴けばわかると思う。でもセールスはロックバンドとしては異次元で、本当に2010年代を代表するロックバンドだろうとおもう。あとはtwenty one pilotとかooe republicぐらいかな。ロックはほんとに肩身狭くなったもんだ。

 

 

 

 

 

 
わたしは残念ながらあまり彼らに興味がないのだが、この曲は正直イメージを覆された。壮大なロックアンセムばかりやってるイメージだったけど、こんな繊細な、コールドプレイみたいな楽曲ができるなんて思ってなかった。全くもって想定外。おみごと。
 
そんな曲も含めて是非映画館で見てもらいたい。