The Peggiesはチャットモンチーになれるのか | novel2017のブログ
The Peggiesというバンドがいる。






(L to R) 石渡マキコ (Ba) / 北澤ゆうほ (Gt/Vo) / 大貫みく (Dr)
2011年5月から本格的に活動開始
7月に学芸大学MAPLEHOUSEで初ライブ

2012年2月 EMI ROCKSのオープニングアクトとしてさいたまスーパーアリーナに出演。

2014年11月19日に初の全国流通音源「goodmorning in TOKYO」をタワーレコード限定でリリース。
12月4日レコ発企画「宣戦フ告 vol.1」を渋谷WWWにて開催。

2015年5月27日、5曲入りEP「PPEP1」をリリース。
7月3日に新宿Marzにてレコ発企画を開催。

2015年11月11日、初のフルアルバム「NEW KINGDOM」をリリース。
12月10日に渋谷WWWにてバンド史上初となるワンマンライブ「宣戦フ告 vol.4」を開催。




公式HPより









簡単に一言でいうなら3ピースガールズロックバンドだ。しかしその言葉で彼女たちを簡単にくくってしまっていいのだろうか。



去年発売されたファーストフルアルバム。リードトラックはYOUTUBEに上がっていたので知っていたが、いざアルバムをフルでといってもなかなか音源が見つからず、ようやくゲットして最近聴いた次第だ。ちなみにそのリードトラックは去年の私の月間ランキングで47位、2015年間ベストMV賞の優秀作品賞にも選ばせてもらっている。
たかだか10代の女の子三人だと思って舐められては困る。彼女たちはチャットモンチーになれる可能性を秘めているのだから。チャットモンチーになることが正解かどうかは置いといて、彼女たちへの期待値はそれほど高いということ。


ファーストフルアルバム「NEW KINGDOM」



一度聞くと離れないその透明感のある声、もっと言えばすこし切なそうな高音がまさに「えっちゃん」だ。
若さゆえの脆さと力強さが混同し、余計にこちらの感情を揺さぶる。
去年11月に発売されたアルバム「NEW KINGDOM」ではその彼女たちの魅力がぎゅっとつまっている。
一曲目のグライダーはもちろん、4曲目のブリキなど個性豊かな楽曲が詰まっている。
個性豊かというと、どうしても若い人たちは何か変なものに感化されやすいのか、小手先で奇妙な音楽を作ったり奇天烈な行動をとったりしているのがよく見かけられる。しかし彼女たちは違う。ボーカル北沢ゆうほの持ち味を最大に生かすためにまっすぐな歌を歌うという芯は残したままその側で自由に遊んでいるのだ。









こういったガールズバンドが生き残るためにはいくつかの条件がある。

1.可愛いor愛嬌がある
これは残念ながら必須項目。仕方ない。どれほど本人たちが憤ろうと私が嘆こうと変わらない。SCANDLが生き残っているのは間違いなくドラムのRINAのおかげだ(言い過ぎ)。チャットモンチーだってSHISHAMOだって確かに美人ではないが妙にクセのある性的な興奮を覚える顔つきだ(訴えられそう)。
The Peggiesはどうか。








うん全く問題ない。十分だ。ボーカルだけで合格。ちょっと丸顔なのが母性を感じるので男はさらに食いつく。





2.共感できるか
女性バンドに限らず、全てのミュージシャンにとっての課題でもある。感動できて共感できて「泣ける歌!!」なんて項目でnaverにまとめられたりtwitterで歌詞botができなきゃ生きてけない。これも仕方ない。
もちろんThe Peggiesもこの項目はクリアしている。もう少し詳しく話せば、彼女たちの歌詞の作り方にもあると思う。



──この歌詞はすごくリアルなのにリスナーが限定されるわけでもない不思議な魅力がありますね。

北澤:私が書く詩って自分のことではないんです。「アイラブユー」は、お友達の恋の話を聞いて、自分なりに“こういうことなのかな”って噛み砕いて作った。第三者の私が、いかに自分自身のことのように歌詞にできるかって。自分自身のことをリアルに歌えるのは当たり前だけど、そうじゃなくていろんな人の話を聞いて、それをひとつの歌詞にしたいなとは思ってました。だから聴く人が限定されないって感じてもらえるのかもしれない。



インタビューより


なにかに思いを込めて自分の気持ち100%で伝えるというのは王道の方法ではあるが、彼女たちは少し違ったアプローチで表現している。自分の体験談ではなく他人のエピソードを歌うことで、歌を歌っている彼女たち自身もリスナーと同じ目線で聴いているのだ。自分だけの歌ではなく自分も含めた「みんなのうた」へと昇華している。



3.音楽の多様性
意外とロックバンドというフォーマットにとらわれ過ぎてがんじがらめで一作目はよかったのにその後はずるずると同じような曲調が続き手詰まりで解散なんてことは多い。今の時代だからこそ、奇を衒いすぎず、自分たちに必要な音であるならどんどん使っていくべきなのだ。しかしThe Peggiesはもうこのアルバムでそれをクリアしようとしている。あっさりとシンセもストリングスも使いこなし、アコギもとてもいい。







課題と懸念
彼女たちはチャットモンチーになれる。なれるがこのままではなれない気もする。音楽業界に身を置いたこともなければ売ったこともないし音楽理論すらわからないズブの素人が言うんだから間違いない。でもそれは懸念なんかじゃない。そりゃあこのアルバムのクオリティがてっぺんならメジャーにすらいけない。彼女たちはまだまだ若いし若すぎる。放っておいても豆苗のごとくぐんぐん成長すると思う。では何が課題か。それは間違いなく「売り方」にあると思う。生かすも殺すも事務所次第なんだよ結局。みろよ、藤原さくらはアミューズによって危険な橋を渡られようとしている。4月からの福山雅治主演のドラマのヒロイン役に抜擢されたそうだ。YUIがそんなにうらやましいかアミューズよ。そういうことは片平里奈とかなんかそういう系の人にさせとけよ。またそんな本格派をごり押しでつぶすことないのに。。。
いや、関係のない話になった。つまりは売り方次第。私が一番懸念しているのが「アニソンバンド」になってしまうこと。アニソンが悪いわけではないがアニソンのタイアップばかりつけてしまっては彼女たち自身のブランドが築きにくくなってしまうと思っている。チャットモンチーになるには余計なフィルターやレッテルは不必要なのだ。アニソンバンドとなるとなぜ「商業的」だとか「媚びている」とか「オワコン」とか「若者向け」なんて言葉がくっついてくる。アニソンのタイアップは大きな仕事だ。広告面でもセールス面でも間違いなく大きな飛躍を見せるに違いない。しかしそれは劇薬。いまはよくてもその効果が切れてしまってももう後には引けなくなる。今はじっくりと。ライブで、SNSで拡散していくことを望む。
そしてもうひとつはストイックさ。いまはどうしてもSNSがありようにファンとの交流ができるようになってしまっている。それは危険だ。彼女たち自身のカリスマ性を下げ、SEIYUにでも売ってそうな人たちなんてイメージになりかねない。ファンと彼女たちの線引きはしっかりとする。そして音楽でも構わないし女優でも構わない。表現者としてしっかりキャリアを積み重ねてほしい。えっちゃんはドラマーをやめさせてまでもバンドを続け、やめてもなお楽器をとっかえひっかえし試行錯誤を重ねた。これ以上のプロはいない。妊娠したのはtacicaが悪いんだ。

残念なことにガールズバンドは旬が短い。若くなけりゃ売り物にならない。そう、男ってのは本当にバカなんだ、すまんな。だから事務所もレーベルもきっと売り時にはかなり気を付けているの違いない。だからこそ、その売り時と売り方を間違えないように、彼女たちの制作を邪魔しないようなプロモーションをつけてあげてほしい。それが今回のアルバムを聴いた一人間の感想である。



余談だが、下の動画、この記事を書いている途中に見つけたのだがどうやら見覚えがある。というか確実に見たことがある。ずっと昔に。それがthe peggiesだなんて知らなかったしなんで覚えているのかもそもそもなぜこんな動画を見たのかも謎。しかし、確実に言えるのは彼女たちとはもっとずっと前から出会っていたんだね。