第32回東京国際映画祭「野ゆき山ゆき海べゆき」 まさに大林映画ですね | てるてるの小屋

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第32回東京国際映画祭で特別功労賞を受賞した大林宣彦監督の特集として、新作「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」と、4作品が上映されることになりました。

新作は残念ながら満席で手に入りませんでしたが、旧作4作品を観ることにしました。
会場は、六本木ヒルズのTOHOシネマズ六本木ヒルズ。
 
 
「野ゆき山ゆき海べゆき」
1986年公開、「さびしんぼう」の次の作品でしたが、「転校生」と同じくATG配給です。
公開当時は、カラー版と、モノクロ版が同時に公開されました。
今回は、カラー版。英語の字幕入りです。
しかも、フィルム上映で、ここの映画館に映写室がないので、客席後方に映写機📽️を設置しています😆
 
この作品は、佐藤春夫さんの「わんぱく時代」を映画化したもの。尾道を舞台にしています。
時代は戦争まっただ中、尋常小学校に転校してきた2歳年上の乱暴者大杉少年を巡るボス争いの「戦争ごっこ」も互いを傷つけ合う争いになってしまう。
大杉少年の姉のお昌(鷲尾いさ子)ちゃんを巡る争いも・・・。
でも、貧困と戦争が人々を引き裂いていきます。
35年前にこれほどストレートに戦争を取りあげた作品を世に送り出していたのですね。
映画作りへのこだわりも強かったです。
医者(三浦友和)の息子のぼんぼん総太郎(林泰文)少年は、大林宣彦監督を投影したもの。
尾美としのりさん、佐藤浩市さん、峯岸徹さんと根岸季衣さんは夫婦役でしたね。
まさに大林映画ですね🙋
 
上映終了後、映画祭らしくQ&Aが。
 
 
 
実は、当日大林監督が登壇予定で、朝にも連絡があったのですが、その後体調を崩して来れなくなってしまいました。
会場に当時のプロデューサーだった森岡さんがいらっしゃったので、急きょ登壇してもらい、当時のエピソードなどを語ってもらいました。
質問コーナーでは、わたしの隣に座っていた外国人が日本語で質問されてましたが、いま戦争三部作を送り出している大林監督が35年前に同様の作品を作っていたが、当時の反応はどうだったか?というもの。
森岡さんは、よくぞ作った❗という評価を受けた、ATGのインディーズ作品だったからできた、と語っていました。
MCの方の説明や質問は、台詞回しや各々の持ち歌、このシーンは小津安二郎監督の「東京物語」へのオマージュなのか?など、大林愛に満ちあふれていましたね☺️