Anime 259 - 変人のサラダボウル | 午前零時零分零秒に発信するアンチ文学

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時事問題から思想哲学に至るまで、世間という名の幻想に隠れた真実に迫る事を目的とする!

■概要

 

貧乏探偵、鏑矢惣助が尾行中に出逢ったのは、魔術を操る異世界の皇女サラだった。なし崩し的にサラとの同居生活を始める惣助だが、サラはあっという間に現代日本に馴染んでいく。一方、サラに続いて転移してきた女騎士リヴィアは、ホームレスに身をやつしながらも意外と楽しい日々を送る。前向きにたくましく生きる二人の異世界人の姿は、惣助のほか、鬼畜弁護士、別れさせ工作員、宗教家といったこの地に生きる変わり者達にも影響を与えていき――。平坂 読×カントクコンビがこの時代に放つ、天下無双の群像喜劇、堂々アニメ化!©平坂読/小学館/「変人のサラダボウル」製作委員会

 

 

はがない」の平坂読氏原作、現代版異世界転移!

舞台は作者の出身地と同じく岐阜県にて。

 

異世界物って、大抵はコッチの世界からアッチの世界へ行くか、或いは両方だったりするんだけど、今回の「変人のサラダボウル」は向こうから転移してくるのよ。

 

プロローグで転移前の世界が出てきて、戦争中に祖国が滅ぼされる展開に。

そこで、追手から姫君が逃げるんだけど、その先…崖の下には、いかにも怪しげな転移ポータルが。しかし、迷うことなく飛び込む。

 

一方で、姫君を逃がす為に食い止めていた護衛の女騎士は、その後に持ち前の剣術で追手を一掃。改めて、姫君を守る為、転移ポータルに飛び込む。

 

 

■登場人物

 

 

 

■転移先は現代の日本

 

異世界から転移してきた姫君は13歳のサラ。私立探偵・鏑矢惣助の真上に転移ポータルが出現。そこからサラが降ってきた。この奇妙な縁により、惣助の探偵事務所に居候となった。さすがに皇族だけあって、違った環境にも順応し、とても好奇心旺盛。魔法が使えるので、探偵事務所の助手として中々の活躍をみせる。

 

一方で、サラを追ってきた護衛の女騎士・リヴィアの転移先は河川の堤防で、その橋の下にいたホームレスの鈴木さんと出会う。話し方がいかにも、アニメで登場する異世界の女騎士みたいだったので、その旨を鈴木さんから指摘されると「実はそうだったのです」とリヴィアが答える。以降はホームレスとしての生活になる。

 

 

■2ルートのヒューマンドラマ

 

こういうのって、やっぱ最初に出会った人物によってルートが変わってしまうんだよね。サラの場合、最初に出会ったのが冴えない感じの独身の私立探偵なんだけど、その仕事が楽しくて助手というポジションを早々と獲得。お得意先である、弁護士・愛崎ブレンダさんも面白い依頼を紹介してくれるので、ザックリ言ってしまうと世間一般的な「成功者」としての世界観で話が進む。

 

更にサラは、皇族ならではの類まれない洞察力を遺憾なく発揮。初めて連れていって貰った競馬場で、3連単を7割以上の確率で当てて、1日で探偵の依頼分以上に稼いでしまうという話がオモロ過ぎる。今度は友達が欲しいからという理由から「学校に行きたい」と言い出し、その先でも姫様になってしまうのだ。

 

 

一方で、リヴィアの場合、最初に出会った人物がホームレスだったので、やっぱアンダーグラウンドな世界観でドラマが進む。寄ってくる人物もチンピラだったり、キャバクラ嬢だったり、カルト新興宗教の指導者だったりする。ストーリーとして面白いのは断然こっちのルートなんだけど…このリヴィア自身も愚直なまでに真っすぐで、あまり考える事をしない人物なので、何度もダマされている。

 

リヴィアはサラの元へ行き、護衛を続けるのが目的だったんだけど、それは早々と達成される。姫様を探して貰おうと探偵事務所を訪問したところ、そこに目当ての姫様が助手として働いていたというオチ。

 

だけど…

 

護衛の女騎手様は応用が効かない。行動も目立ち過ぎるので、探偵として不適。結局のところ、ホームレスに戻ってしまうのが笑えてしまう。サラのように「ここが現代の日本という国である」という認識が薄いので、異世界の騎士時代そのまんまに異能を使ったりしている。運が良いのか悪いのか、そこをカルト教団の指導者に観られたことで「あなたこそが真の救世主様です」なんて崇められる。

 

指導者・皆神望愛のビルに居候させて貰い、毎日お小遣いを貰っている…いわゆる「ヒモ」という暮らし。望愛は、「救世主リヴィア様の裸体を3Dスキャン」してフィギュアを作り、それを大量生産。信者へ高額で売り飛ばす。その代わり、リヴィアには自由に暮らしていいとして、小遣いまで渡す。お金を貰った元騎士は、パチンコへ行って増やそうとするが、結局は幾らやっても負けてスッカラカン!

 

もう、本当にロクでもない人生を送る。

 

んで、何だかんだといって、キャバクラ時代に知り合ったプリケツと再会するんだけど、彼女がまた面白キャラ。将来はバンドでプロとしてデビューするのが夢なんだけど、他のメンバーが「自分達には才能がないから辞める」と離れられ、大泣き!

 

 

でも、この時…リヴィアは傍に居たはずなんだけど(第5話)。

その次の第6話…サウナで一緒に入っている時に、プリケツから「バンドを解散したんすよ」と聞かされて「そうなんですか?」と不思議に思っていたので…

 

 

もしかしたら、コレって演出ミス?

第5章で解るはずなんだけど…

 

オイラとしては、少し違和感。

 

 

■所感

 

異世界コメディとしては絶品ですね。元々、平坂さんのギャグがオイラには合っていたので、夜通しで観てしまいました。

 

面白かったのが、サラが三国志を知っていた事。

 

ということは、転移前の世界で読んでいた訳よね。

「サラやリヴィアのいた世界って、一体どんな所だったのか?」って

 

実は、もうひとつの日本だったりする。

このSF的なミステリー要素も残してあるところがまたいい。