静かに近付く時間の中で | TAKASHI BLOG

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移ろい行く日々の中で思ったことを心のままに描いていこうと思います
presented by takashings since May 19th 2006

少しずつ時間は過ぎていく


その中でも確実に失われていくもの

笑顔で喜ぶべきもの

焦燥感を隠しきれずにいるもの


何気ない一言でも傷ついてしまうんだよ

人間はガラスでできているから

人によって違うのは、そのガラスの強度が違うだけ

誰でも、壊れるものなの


そういう風に彼女は言ったんだ

オレの耳元で密やかに


それはうららかな午後の日差しの中だった

彼女はすぐに雲よりも高い場所へ溶けていった

そして、微笑みながら


わかってる

そんなことぐらい知っていたよ

だけど、知っているからこそ

悲しいとまた思ってしまうんだよ


この時間のコーヒーはやけに気持ちを高揚させてしまう

普段は落ち着くのだけれど、

落ち着こうとする心はやけに

何かに焦る速度を上げていく



何かを知ること

何かを手に入れること


そして、失うもの



手に入れたものはなんだ?

そういう風に誰かは僕のこめかみに銃を押し当てて

焦らす声と同時に発する冷たい声


何かを手に入れなければいけないのか

何かを失うだけではいけなかったのか


たくさんの傷跡を見せてもきっとその誰かは

嘲笑うだけなのだ

両手を肩の高さまでに挙げて呆れて、そう


押し当てているのはあなたの方です


スーツの胸ポケットから取り出した銃は黒光りしていて

よく手入れがされているみたいですね

その銃はどこまで僕の心臓をえぐり取れるでしょうか


打ちたくもない銃を取り出して、

こめかみに押し当てている

本当は簡単なんでしょうが、

打ち抜くことぐらいはさ


だけど、その後が面倒なんですよね


焦燥感

高揚感


火薬のにおいがする部屋は

誰もしゃべろうとはしないんです

僕はそれを別の角度から見ていたつもりでしたが、

マッチに火をつけようとしているのを気が付いていましたか?



ハロー・アンド・グッバイ

バット・フェアウェル