つり革につかまって立っていたところ、突然、電車が急停車しました。
人に押されたあなたはよろめいて、他の乗客の足を踏んでしまいました。
そのとき、あなたはどんな行動をとるのか、質問にYESかNOで答えましょう。
その失敗は誰のせい?
●低い自己評価が「他人のせい」に
人は思いがけずうまくいかないことがあったり、予想どおりにものごとが運ばなかったりしたとき、イライラしたり、怒りを感じたりします。フラストレーション、つまり不満が生じているのです。そのフラストレーションが向かう先は人によって違います。
第1のタイプは、他人やモノなど、自分以外の何かにその怒りを向ける人です。
「外罰型」と呼ばれ、このテストでCとDになった人です。
このタイプの人は、トラブルに巻き込まれたときに、「他人が悪い」「運が悪かった」などと考える傾向にあります。
なにごとも自分のせいではなく、自分以外のものの責任だと考えるので、ストレスはたまりにくいといえます。
ただ、他人からみて責任感がなかったり、自分勝手に見えるようにふるまっている恐れもあるので注意しましょう。
もうひとつのタイプは、自分自身に怒りが向かうタイプです。
答えがAの人で、「内罰型」と呼ばれます。
このタイプの人は、すぐに「ごめんなさい」と謝罪の言葉を言うので、他人から見て感じのよい人が多いようです。責任感も強く見えます。
ただし、いつもトラブルの原因を自分に求めるので、ストレスをためがちです。
内罰型傾向の強い人は、例えば部下の失敗まで、「もっと指導をしておけばよかった。自分の責任だ」と考えたり、家族が交通事故にあった場合などに「自分の注意が足りなかった、送り迎えをしていれば」と考えるなど、人の失敗まで自分の責任としてとらえてしまうところがあり、苦しい思いをしてしまいます。
なにごとも自分の責任だと考えすぎないよう、事実を客観的に見ることを心がけましょう。
また、外罰型にも内罰型にも当たらない「無罰型」の人もいます。
Bのタイプです。
質問のようなシチュエーションでも、「こんなときは足を踏まれたって、誰も気にしない」などと考えて、うまくフラストレーションをかわし、どこにも怒りを向けないタイプです。
誰も責めていないため、ストレスをためづらいタイプなのですが、なにごともうやむやにして、問題だと考えないところに問題があります。
この傾向にあまり拍車がかかると、のちのちトラブルに発展してしまう可能性もあります。
●「自尊感情」の低さがストレスの原因に
ところで、「ごめんなさい」「失礼」と言えないと答えたCとDの人は、なぜ素直に謝れないのでしょうか。このようなシチュエーションに置かれた場合、多くの人はすぐに謝罪します。
例えば、内罰型の人は、謝罪することにあまり抵抗を感じません。
こういった状況で謝罪することにフラストレーションを感じるのは、外罰型の人のひとつの特徴です。
外罰型の人は自分以外に原因を求めてしまうので、なかなか謝罪できないのです。
「自分は悪くない」という感情が先に立つわけです。
実は、外罰型の人が素直に謝ることのできない背景には、「自尊感情」の低さがあるのです。
自尊感情とは、自分を価値あるものとして考える感情のことです。
この自尊感情が低い、つまり自分を評価する気持ちが低いために、謝罪にフラストレーションを感じやすい、というのは矛盾しているように感じますが、自尊感情の高い人というのは、謝罪したことで自分の評価が落ちるとは考えないため、謝罪が比較的容易にできるのです。
一方、自尊感情の低い人は、世間での自分の評価も低く考えています。
謝罪、という行為は「自分の非を認めて許しを請こう」ということなので、自分への評価をさらに低くしてしまうことになり、なかなか謝ることができないのです。
そして、「自分は悪くない」と、矛先が外に向かうことになるわけです。
特に、Cを選んだ、謝罪もせず、他の人をにらむと答えたタイプの人は、怒りの矛先が自分以外に向かうだけではなく、それをそのまま表現するタイプの人といえます。
しかし、謝罪すべきときに謝罪しないのは、むしろ周囲の人からの評価を下げることにもなりかねません。また、自尊感情の低さゆえにストレスをためてしまうことも多いのです。
それでは、自尊感情の低さとは、どこからくるのでしょうか。
続きは、次回のブログで・・・
本日の担当は MEGUMI でした