映画『ノルウェイの森』が楽しみだ!
http://www.varietyjapan.com/news/movie_dom/2k1u7d00000noqir.html
(『バラエティ』5月14日より)
村上春樹の世界的ベストセラー小説を、フランスの俊英トラン・アン・ユン監督が映画化する『ノルウェイの森』の主人公ワタナベを松山ケンイチ、ヒロインの直子を菊地凛子が演じることが分かった。2人は今年2月に、冬のシーンを10日間ほど撮影。6月1日(月)に、本格的なクランク・インをする予定だ。
日本での累計発行部数920万部、世界36の言語に翻訳され、村上文学の最高峰と位置づけられている「ノルウェイの森」。刊行から22年の時を経て映像となるスクリーンを、若手演技派の松山と菊地が彩ることになった。
1992年にフランス語版の小説を読み、「描かれている主人公たちの若さ、渇望感、ラジカルな部分に最も感動し、彼らの抱いている不安、疑心、弱さを映像で見せたいと思った」というユン監督。「別の国の言語は想像できなかった。いろいろな問題はあるが、見合った方法を探しながら乗り越えていきたい」と、日本の俳優による日本語での映画化を熱望した。
同じく映画化を模索していたアスミック・エースの小川真司プロデューサーとともに、04年5月から村上と交渉を進め、昨年初めに映画化権を獲得。村上が認めた脚本は英語だったそうで、「小説のセリフのままじゃダメなところもあるから、どんどん変えていいよ」とお墨付きももらったという。
(後略)
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2009/05/14/03.html
作家・村上春樹氏(60)の大ベストセラーが原作で、来年秋公開の映画「ノルウェイの森」の主要キャストが決まり、演技経験のないモデル・水原希子(きこ、18)が大抜てきされた。俳優・松山ケンイチ(24)が演じる主人公ワタナベが大学で親しくなる活発な学生、緑役。同作は国際映画祭出品を視野に入れており、いきなり世界デビューの可能性もある。
国内発行部数が920万部を突破した大ベストセラー作品に、“無名の新人”がキャスティングされた。
水原はファッション雑誌「ViVi」(講談社)を中心に活躍するモデル。CM出演の経験はあるが、演技は全くの初挑戦。クールな目元が特徴で、モデル業界ではすでに大人気の美女だ。
(中略)
このほど来日したユン監督も「彼女には新鮮な驚きを感じた。彼女と出会えて幸せだ」と大絶賛。撮影は6月1日開始予定で、水原は「何度も壁にぶち当たると思いますが、自分の心に素直に演じたい」と抱負。「終わった後、自分の中に新しい変化があればうれしい」と、巡ってきたチャンスに興奮している。
ユン監督は95年の「シクロ」でベネチア映画祭グランプリを獲得したほか、国際映画祭の常連。2月に雪のシーンを撮影済みの松山も「とてもきれいな作品になると実感した」と、ユン監督の美的感覚に心酔。今作が有名映画祭に出品される可能性は濃厚で、実現すれば水原はいきなり世界デビューとなる。なおワタナベの恋人・直子は菊地凛子(28)が演じる。
(スポニチ5月14日)
上記、二つの記事を読んで、『ノルウェイの森』の映画化が、ますます楽しみになった。
最初、ニュースでキャスティングを聞いたとき、なんとなく、「ありきたりのトレンディドラマみたいな配役か?」とやや失望した。
けれど、緑役に無名の新人を起用したと知り、「これはやはり、いい意味で期待を裏切る映画になる!」と感じた。
それは、原作を読んだ方にはわかるとおもうが、この小説では、緑がキーパーソンだからだ。
ワタナベも、直子も、緑がいてこそひきたつのだ。
『ノルウェイの森』の映画は、緑で決まる。そう思っていたので、緑の役が、未知数の新人女優だというあたりに、驚きとともに、大きな期待をもった。
どうしても、人気女優には出来上がったイメージがあり、それを突き破る演技力をもつ人は少ない。
新人なら、まさにユン監督の思うがままの緑像を、創り上げることができるだろう。
とはいっても、緑は、多面性をもつ女性で、単純に活発なだけではないし、内面に屈折したものを抱えている。しかも、表情がくるくる変わり、とっぴな言動でワタナベをいつも驚かせている。おまけに、ラブシーンもちゃんとある。
そんな、ある意味、ヒロインの直子をくってしまうほど魅力満載の女性を、新人女優がいかに演じるか、不安も感じる。
けれど、いずれにせよ、観てみるまではわからない。そういう期待をもって、公開を待ちたいという気持ちになった。
それと、日本各地のロケが進んでいるという。この監督が、たぐいまれな映像美で名高いことを知る自分としては、村上春樹の小説に描かれたノスタルジックな60年代末の日本の姿を、どんな美しい映像に撮ってくれるのか、そちらの期待も高まる。
かつて、リドリー・スコット監督が、『ブラックレイン』で、鮮烈に描いた大阪の映像を思い出す。
日本人が、ありきたりなイメージを抱いている町や自然を、外国の監督が、意外な角度から映像美に焼き付けてくれた例は、数多い。
今度も、その期待は裏切られないだろう。
『ノルウェイの森』の愛読者としては、京都の山奥のサナトリウムの、桃源郷のような風景と、新宿のネオンと喧噪の街並みの対比を、特に楽しみにしたい。
そして、有名なジャズ喫茶「DUG」を、ぜひ登場させてほしいものだ。
(『バラエティ』5月14日より)
村上春樹の世界的ベストセラー小説を、フランスの俊英トラン・アン・ユン監督が映画化する『ノルウェイの森』の主人公ワタナベを松山ケンイチ、ヒロインの直子を菊地凛子が演じることが分かった。2人は今年2月に、冬のシーンを10日間ほど撮影。6月1日(月)に、本格的なクランク・インをする予定だ。
日本での累計発行部数920万部、世界36の言語に翻訳され、村上文学の最高峰と位置づけられている「ノルウェイの森」。刊行から22年の時を経て映像となるスクリーンを、若手演技派の松山と菊地が彩ることになった。
1992年にフランス語版の小説を読み、「描かれている主人公たちの若さ、渇望感、ラジカルな部分に最も感動し、彼らの抱いている不安、疑心、弱さを映像で見せたいと思った」というユン監督。「別の国の言語は想像できなかった。いろいろな問題はあるが、見合った方法を探しながら乗り越えていきたい」と、日本の俳優による日本語での映画化を熱望した。
同じく映画化を模索していたアスミック・エースの小川真司プロデューサーとともに、04年5月から村上と交渉を進め、昨年初めに映画化権を獲得。村上が認めた脚本は英語だったそうで、「小説のセリフのままじゃダメなところもあるから、どんどん変えていいよ」とお墨付きももらったという。
(後略)
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2009/05/14/03.html
作家・村上春樹氏(60)の大ベストセラーが原作で、来年秋公開の映画「ノルウェイの森」の主要キャストが決まり、演技経験のないモデル・水原希子(きこ、18)が大抜てきされた。俳優・松山ケンイチ(24)が演じる主人公ワタナベが大学で親しくなる活発な学生、緑役。同作は国際映画祭出品を視野に入れており、いきなり世界デビューの可能性もある。
国内発行部数が920万部を突破した大ベストセラー作品に、“無名の新人”がキャスティングされた。
水原はファッション雑誌「ViVi」(講談社)を中心に活躍するモデル。CM出演の経験はあるが、演技は全くの初挑戦。クールな目元が特徴で、モデル業界ではすでに大人気の美女だ。
(中略)
このほど来日したユン監督も「彼女には新鮮な驚きを感じた。彼女と出会えて幸せだ」と大絶賛。撮影は6月1日開始予定で、水原は「何度も壁にぶち当たると思いますが、自分の心に素直に演じたい」と抱負。「終わった後、自分の中に新しい変化があればうれしい」と、巡ってきたチャンスに興奮している。
ユン監督は95年の「シクロ」でベネチア映画祭グランプリを獲得したほか、国際映画祭の常連。2月に雪のシーンを撮影済みの松山も「とてもきれいな作品になると実感した」と、ユン監督の美的感覚に心酔。今作が有名映画祭に出品される可能性は濃厚で、実現すれば水原はいきなり世界デビューとなる。なおワタナベの恋人・直子は菊地凛子(28)が演じる。
(スポニチ5月14日)
上記、二つの記事を読んで、『ノルウェイの森』の映画化が、ますます楽しみになった。
最初、ニュースでキャスティングを聞いたとき、なんとなく、「ありきたりのトレンディドラマみたいな配役か?」とやや失望した。
けれど、緑役に無名の新人を起用したと知り、「これはやはり、いい意味で期待を裏切る映画になる!」と感じた。
それは、原作を読んだ方にはわかるとおもうが、この小説では、緑がキーパーソンだからだ。
ワタナベも、直子も、緑がいてこそひきたつのだ。
『ノルウェイの森』の映画は、緑で決まる。そう思っていたので、緑の役が、未知数の新人女優だというあたりに、驚きとともに、大きな期待をもった。
どうしても、人気女優には出来上がったイメージがあり、それを突き破る演技力をもつ人は少ない。
新人なら、まさにユン監督の思うがままの緑像を、創り上げることができるだろう。
とはいっても、緑は、多面性をもつ女性で、単純に活発なだけではないし、内面に屈折したものを抱えている。しかも、表情がくるくる変わり、とっぴな言動でワタナベをいつも驚かせている。おまけに、ラブシーンもちゃんとある。
そんな、ある意味、ヒロインの直子をくってしまうほど魅力満載の女性を、新人女優がいかに演じるか、不安も感じる。
けれど、いずれにせよ、観てみるまではわからない。そういう期待をもって、公開を待ちたいという気持ちになった。
それと、日本各地のロケが進んでいるという。この監督が、たぐいまれな映像美で名高いことを知る自分としては、村上春樹の小説に描かれたノスタルジックな60年代末の日本の姿を、どんな美しい映像に撮ってくれるのか、そちらの期待も高まる。
かつて、リドリー・スコット監督が、『ブラックレイン』で、鮮烈に描いた大阪の映像を思い出す。
日本人が、ありきたりなイメージを抱いている町や自然を、外国の監督が、意外な角度から映像美に焼き付けてくれた例は、数多い。
今度も、その期待は裏切られないだろう。
『ノルウェイの森』の愛読者としては、京都の山奥のサナトリウムの、桃源郷のような風景と、新宿のネオンと喧噪の街並みの対比を、特に楽しみにしたい。
そして、有名なジャズ喫茶「DUG」を、ぜひ登場させてほしいものだ。